多 自由度バスレフ型スピーカーシステムの研究開発
オーディオ日記
多自由度バスレフ型スピーカーシステム開発日記のアーカイブです。
ブログの日記も順次アーカイブしてゆきます。
資料としてお読みください。
2011年後期
2011年前期 2010年後期 2010年中期
2010年前期 2009年後期 2009年中期 2009年前期

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2010/01/05 CBS-CRとAICC-CR
2010/01/10 MCAP/CBS/AICCの製作(その1)
2010/01/20
MCAP/CBS/AICCの製作(その3)
2010/01/23 MCAP/CBS/AICCの製作(その5)
2010/01/27 MCAP/CBS/AICCの製作(その7)
MCAP/CBS/AICCの製作(その8)

2010/02/08 設置台とインシュレータ
2010/02/11 MCAP-CR/CBS-CR/AICC-CRのインピーダンス傾向
MCAP-CR特許の審査請求を提出

2010/02/21 NDRの実験
2010/03/09
FE103En-Sを注文してしまった
2010/03/27 パリ旅行
2010/04/15 今週の三土会
2010/04/18 三土会
2010/05/15 FE138ES-R+TR130c/c2
2010/05/21 FE138ES-R
2010/05/27
イベント会場探し
2010/06/06
C130K16Dその後
アンプのウォーミングアップ
スピーカターミナル
2010/06/10
アンプのウォーミングアップ(2)
2010/06/12
会場候補下見
2010/06/19 スピーカー再生技術研究会を発足
2010/06/23
ミューズの方舟2010スピーカーコンテスト
Stereo誌7月号

2010/06/26 オーディオ仲間のFさん宅訪問
2010/06/28 いろいろな方々のご協力
N.D.R.もどきシステムの作成
2010/01/07 ギリシャでの音響
2010/01/17
MCAP/CBS/AICCの製作(その2)
2010/01/21 MCAP/CBS/AICCの製作(その4)
2010/01/24 MCAP/CBS/AICCの製作(その6)
2010/01/31 MCAP/CBS/AICC完成!
2010/02/07 お客様を交えてのMCAP/CBS/AICC比較試聴会
2010/02/13 CBS-CRのインピーダンス傾向
2010/03/06 実現できるかな...
2010/03/07 TR100bの改造を計画中
2010/03/14 カメラのイベントと秋葉原の様子
2010/03/15 TR080b/CBT080a/AIT080aの修正図面
2010/04/04 FE103En-S
2010/04/25
プロの塗装技術
2010/05/03 ハセヒロのバックロードを聞く
2010/05/09
TR100bの改造
2010/05/16 保護ネット
2010/05/23 MCAP-CRの導入を検討している方へ
2010/05/30 いろいろ
2010/06/08
秋葉原通り魔事件から2年
2010/06/13
読者の方々からのご支援
イベントのための団体

2010/06/20 公開オフ会用作品
入会のメリット−スピーカー再生技術研究会
2010/06/25
ご入会登録御礼
日本チームの予選突破
2010/06/30 『集まれ!塩ビ管スピーカー』に入会

2010/06/30

 私事ですが『集まれ!塩ビ管スピーカー』 に入会してしまいました。既に『手作りアンプの会』にも入っているし、『スピーカー再生技術研究会』も立上中だというのに、節操がありません。

 同会の方々には大変お世話になっています。折角のご縁は大切にしなければなりません。次回の『集まれ!塩ビ管スピーカー』さんのオフ会には、何かスピー カーシステムを持参して伺おうと思います。

  今年も、『ミューズの方舟』さんのスピーカーコンテストに応募してしまいました。先着順に受付とのことなので、間に合ったかどうか分りませんが、エント リーできれば、新しいものを作って参加したいと思います。今年は、FE83En1本を使ったシステムで、名人がぞろぞろとエントリーされるようです。面白 さだけが信条の作品を予定していますので余興にはなると思います。今年は標準型MCAP-CRではなく、AICC-CRかCBS-CRかどちらかにしよう と思います。日程は11月の日曜になる予定だそうですが、決定するのは先になりそうです。会場を借りることの大変さが身に沁みています。会の皆様のご尽力 に感謝しています。


 『スピーカー再生技術研究会』には、今日で ちょうど50名の登録を頂きました。引続き、ご登録をお待ちしています。
登録は会 員登録ページでお願い致します。

2010/06/28

 いろいろな方々のご協力

  多自由度型バスレフの開発に取組み始めたのは、もう何年も前のことになるが、そのときは、研究会を発足するなどということは考えたことがなかった。しか し、多くの方々と出会いがあり、結局、最後は勢いにまかせて会を始めることになってしまった。未だ、会のインフラも整っていない状態である。

 ここまでの間、多くの方に支えて頂いた。それでなければ、ここまで来ることは無かったと思う。松さんと自分とだけでは出来ることに限界がある。それに、 大阪と東京という離れた場所に活動の本拠地があるというのも障害である。

 特に、大山さんと、『集まれ!塩ビ管スピーカー』の方々には多くのアドバイスを頂きました。改めて御礼申し上げます。

N.D.R.もどきシステムの作成

 先週から始めた N.D.R.の作成にぼちぼち取組んでいる。昨日は、多くの穴開けとダクトの接着を行ったのに引続き、今日は、1本の主要部の組立を開始した。

 新作は、公開オフ会で鳴らすつもりのもので、4本のユニットをシリパラで繋いだN.D.R.もどきのシステムである。エンクロージャーは標準型MCAP -CRで、最も単純なものである。それでも、初めて見る人には複雑に感じるだろう。

 ユニットはFosterの8cmを使用する予定であるが、片チャンネル4本も使うので、15〜16cm相当の振動板面積になり、パワーも最大40W入力 になるはずである。

 音を出せるのはしばらく先になりそうだが、自分としては、結構楽しみである。これでN.D.R.の音場感が達成できれば文句なしのシステムになると思 う。


2010/06/26

オーディオ仲間のFさん宅訪問

 今日は、オーディオ仲間のFさん宅を訪問した。
 Fさんとは、三島の会(正式名はあったかな?)で知り合った方で、2009/11/23に我家を訪問して頂いた方である。Fさんは、決して広いとは云え ない共同住宅に住むという自分と似た環境でオーディオ(自作中心)趣味にいそしんでおられる。

 F さんのシステムはEVの高音ホーン、中高音ホーン、アルテックの38cm口径ウーファーの3ウェイのシステムを自作アンプで駆動するシステムである。プリ アンプのリレーは水銀を使った接点劣化のないもの、ヴォリウムは固定抵抗の切替式、ネットワークは全て調整後に値を固定してしまうという凝りようである。

  音は、とにかく軽快で、屈託のない中高音が小気味良く出てくる。ホーンのシステムなので、離れたほうが良いとおっしゃるが、自分は近くで聴いた音の方が好 みだった。近くで聴くと演奏者の息遣い、ヴァイオリンの弓の返しが活き活きと再現される。音量が小さめということもあるが、離れると、これらの譜面とは関 係ないノイズ(?)は、さっぱりと無くなってしまうように感じた。

 中高音は、ホーンの威力もあり、すっきりと屈託無いのびのびした音である。しかも、弦楽器の中域を分解して聞かせる。どぎつさは全くない自然で優しい音 である。

  低音は、箱ではなく振動板で聞かせるタイプである。鬼太鼓座を聴くと、撥で太鼓の皮を叩く音が生々しく聞こえる。箱の力を借りていないので、太鼓の胴に含 まれる空気が震える感じは少い。自分のシステムの音とは対照的な音造りだろうか。歯切れの良い低音は、ジャズのベースが癖っぽくならず、音を分解して聴か せる。さすがにベテランのオーディオマニアらしい凝った音造りだ。Fさんによると初めからこのような音造りを狙った訳ではなく、気が付いたらこのような音 になったのだと云う。

 Fさんが所有しているB&W(Matrix802?)に切り替えて聴くと、オーディオショップの音になっ た。聴きやすい音だが、中高音が窮屈で、低音は一本調子な印象になる。ベースはズンズンという感じで、必ずしも一音一音を上手に分解する訳ではない。この 一本調子の低音は、低能率のシングルバスレフの特徴だと思う。フルレンジにして、多自由度のバスレフにすると低音の癖はもっと緩和されるだろうが、そうす れば『良い音』になる訳ではないので、好みの問題になる。

 B&W は、スパイクが付属しているのだが、今日はダンボールを敷いて直置きだった。

 良い状態とは云えないので、今日買って持ち合わせていた四角い水晶屑のような破片で3点設置にしてみると低音は随分良くなった。それでも一本調子なの は、やはり癖なのだろう。

 付属のスパイクは4点設置で高さをネジで調整できるようになっている。この音も聴いてみたかったが、大変そうなので今日は聞かなかった。
 Fさんが購入した 200m巻のスピーカーケーブルを頂けるというので、20mも頂戴してしまった。

  このケーブルは、赤2本、白2本の4線ケーブルで、赤と白を夫々より合わせて使うのだという。1本の太さは1.25SQと2SQの間位の太さで、被覆は固 めの樹脂である。キャブタイヤのVCTとは異り、夫々円形断面の4本の被覆線に太いチューブを被せ、隙間は糸で埋める構造である。このため、加工が楽であ る。

 帰って早速音を聴いてみると、中々良い。自分の場合、違いを聴き分ける自信がないので、聴いてみて良ければそれで納得である。これは大変なものを頂戴し てしまった。

 Fさん、どうも有難う御座いました。

 F さんとの談義で重要だったのは、オーディオで最重要なのはスピーカーであって、アンプはスピーカーの奴隷だということだった。先ずはスピーカーを決めなけ れば、アンプが決まらない。スピーカーがはっきりしないとシステム全体が決まらないのである。Fさんは、スピーカーユニットとネットワークを決めて、それ から、アンプを決める方法をとっている。マルチドライブのシステムは、Fさんほどの方でも簡単には構築できないと仰った。

 Fさん、今日はどうも有難う御座いました。


 『スピーカー再生技術研究会』は、上記のよ うに、スピーカーを決めることがシステム構築の第一歩という理由で、スピーカーに重点を置いています。会の発足には、思いの外賛同を頂いて、規模が拡大し てきています。

 皆さん、一緒に面白い会をつくってゆきましょう。



2010/06/25

ご入会登録御礼

 昨日から今日にかけて、スピーカー再生技術研究会に、更に多くの方々にご登録頂きました。会員数は既に26名となりました。岡田ジャパンの勝利で、気を 良くされて勢いで入会してしまった方もおられるかもしれません。

 本日、会場候補の横浜ラポールの団体登録を済ませました。来月になったら、空きを見つけて抽選申込をします。登録のときは、係の人が名称を見て怪訝な表 情をしていました。真面目な名称だと思っていたのですが、返って怪しい雰囲気があるのでしょう。

 公開オフ会に向けて、また前進となりました。

 現在、Yahoo!グループを作成しており、うまく出来たら会報の形でご登録頂いた方にご挨拶とその他のご案内をします。Yahoo!グループは返信す ると皆に送られるようになるので、そのまま会議することが可能です。手間取っていますのでもう少しお待ちください。

 入会御礼申し上げます。

日本チームの予選突破

  今日は、サッカーのワールドカップで日本が予選最後の大切な試合だったので、溜まっていた仕事を消化しながら試合を見ていた。試合は序盤から日本がリード する展開になった。自分の希望的予想は、前半から攻め込まれるのを凌ぎ、最後の攻め疲れたところの隙を突いて決勝点を決めるという筋書きだった。ところが 最初から予想が外れたので拍子抜けしてしまった。それでも自分の予想の逆の展開になることを心配しながら観戦していた。終盤で、誤審と思われるPKから1 点を取られてしまったが、最後はしっかり守って逃げ切り、しかも、追加点まで上げて立派な成績で決勝リーグに進むことが出来た。代表監督も、外国籍の有名 人より岡田さんのほうがいいと前から思っていた。結果で示すことが出来たのは良かった。今までで最高の監督ではないかと思う。

 それにし ても、今回キーパーの川島は巧いなあ、と感心してしまった。3戦を通して別のキーパーだったら駄目だったかなと思わせる場面が何度もあった。それと、我が 家で人気があるのは遠藤で、日本代表で、キーパーを別にすると一番巧いと思う。決勝リーグで勝つのは大変だろうがそれでも、ランクが上位のチームを蹴散ら しての予選突破は素晴らしかった。


 皆様のご支援に支えられて、スピーカー再生 技術研究会の会員登録も15名になりました。引続き会員登録をお願いいたします。

2010/06/23

Stereo誌7月号

  おまけが欲しくて、Amazonから1冊購入していたのだが、本日出張の折に寄った新大阪駅構内の書店を見たら売っていたのでもう1冊買ってしまった。勿 論本体はどうでも良く、付録が欲しいだけであった。付録の音がいいか悪いか聴いたわけでもないのだが、何となく良さそうな気がしたのでつい2組も買ったの は何故だろうか?自分でも良く分らない。
 何を作るかも決まっていないし、いくら小さくても邪魔は邪魔である。といいながらつい買ってしまう自分が変だ。


ミューズの方舟2010スピーカーコンテスト

 ブログハイエンド自作スピーカーのkenbo-さんのページを見たら紹介されていたので、つい、募集要項をお願いしてしまった。

  自作スピーカーコンテストは、商売の一環として実施しているものもあるのだが、天邪鬼な自分は、プロの価値観を押し付けられるのが嫌である。価値観は自分 で造るというのがモットーなので、押し付けられた価値観に縛られることを好まない。ミューズの方舟さんのコンテストは、勝ち負けを競うというより寧ろ仲間 内での情報交換、オフ会とお祭りという感じでとても好感が持てる。こういう会だからこそ100人以上が集まるのだと思う。自分も盛上げに貢献できれば嬉し い。以前に書いたように、自分は、勝ち負けなんてどうでも良いので、面白さが命である。この面白さは、会場に来られた方に感じて頂いて初めて価値があるの で、面白いと感じて頂けなければ、ミューズの方舟の皆様には申し訳ないし、自分としても負けである。音が良かったかどうかなんて自分にはどうでも良く、 『これは可能性がありそうだ』と感じられるものなら何でもいいのだ。

 スピーカー再生技術研究会も、面白いかどうかが命で、面白くなかったら、何も価値がないと思っている。人間の命は限りあるので、『自分が死んだらその話 はおしまい』ではしょうがない。『研究会』には、成果を公開する使命があると思っている。

追伸
研究会の会員数が目標の10名にはまだ届いていないので、入会をお願い致します。
会 員登録ページから会員登録できます。メリットは↓位しかないのですが、一緒に楽しみましょう。

祝 10名達成!

先程目標の10人目のご登録を頂きました。皆様、どうも有難う御座いました
引続きご登録をお願い致します。

2010/06/20

入会のメリット−スピーカー再生技術研究会

 昨日入会フォームを設定したところ、早速、5名の方が登録して下さいました。ご協力をどうも有難う御座いました。

 その中で、ある方から、入会のメリットについてご質問頂きました。メリットについては、以下のようなものがあります。

  1. 個人でウェブサイトやブログを持たなくても研究成果を発表できる。
  2. 会として行動することでオフ会の会場を借りやすくなる。
  3. 技術情報を得られやすくなる(かもしれない程度)。
  4. オフ会で自分の作品を他の人に聞いてもらえる。
  5. 他の会員のアドバイスを受けられる。
  6. 懇親会でわいわいがやがやお酒を飲んで楽しめる。
 メリットはこんなところでしょうか。会費も参加義務もないので、デメリットはないと思います。

  この秋に早速第1回の公開オフ会を予定していますので、登録有無に関係なくご来場ください。また、会場を借りるのに必要な会員数には、まだ2名足りません ので、新規のご登録をお待ちしています。登録の人数は、会場を借りるときに申告するものだけですので、登録したからと云って公開オフ会に参加する義務はあ りませんのでご心配は不要です。


公開オフ会用作品

 松ヒトシさんと2名で私的発表をしようと思っていたのが、思いがけず、研究会を作ることになってしまった。いずれにしても当初の目的は明確にしたうえ で、聴きに来られる方に、有意義な内容を加えていこうと考えている。

 当初から発表しようと思っていたのは、大きく分けて下記の内容であった。

  1. 多自由度バスレフ型の開発と作例デモ (鈴木)
  2. N.D.R.(無次元放射システム)アプリケーション開発とデモ (松)
  上記を骨組みとしてなるべく面白い会にしようと考えている。研究会を発足するときには、賛同して会員になってくださった2名の方の作品デモもお願いした。 一方的な発表よりも参加型のほうが、面白いと思う。上記の1、2も共に相互乗り入れになっている。N.D.R.アプリケーションを作るには、多自由度バス レフを応用したほうがシンプルに出来るというのも分ってきたことである。

 自分の部分で、多自由度バスレフについては、8cmシステムの 標準型MCAP-CR、AICC-CR、CBS-CRを骨組みとして入れようと思っているが、折角なので、他にも、自分のメインシステムの励磁型か、或い は、多くの愛好家宅に眠っているFE138RS-Rを活用するシステムをこれから作ってデモするかというようなことも考えている。しかし、一人で多くのシ ステムを運ぶのはちょっと辛いので、大型はどちらか択一になると思う。

 上記の2についても、自分としては大変興味があり、8cmの3シ ステムを使っての実験もやったみた(2/21の日記の通り)。簡易型組合せのN.D.R.でも興味深い音と音場だったのでここでひとつ作ってみることにし て、早速作り始めた。とは云っても、今回は、ホームセンターの定尺サイズのパイン集成材を切ってもらっただけなので、これから多くの加工が残っている。 ボール盤を持たない自分が穴を開けるのは結構面倒である。

 昨日と今日で実施した 工作は、外板の側面に、角材を貼り付けただけである。

 角材を縁に貼る技法は、前記の8cmの3システムから始めたものである。前回は、MAKIZOUのシナアピトン合板と東急ハンズのアガチス角材を組合せ たが、角材の寸法誤差がマイナス0.2〜0.5mm位あったので、最後に檜の薄板を貼って修正しなければならなかった。

 今回は、ロイヤルホームセンターのクリアパイン(?)集成材(18mm厚しかない)と□18mm栂(ツガ)角材を組合せた。こちらは、角材のほうが寸法 が僅かに大きいので修正が簡単である。写真で見ても違和感のない外観になっている。

  今日はこれ以上出来ないので、来週以降少しずつ始めていこうと思う。図面は、音を聴いてみてから載せようと考えている。因みに、スピーカーユニットは 8cmを片側4本シリパラで繋ぎ、インピーダンスは8Ωとする。スピーカーユニットに何を使うかは未だ検討中だが、最も安いFosterのFF80という のを使おうかと考えている。FF80は、FostexのFE83Eよりも、フレームが頑丈そうなのが気に入っている。
 外形寸法は、286W×450H×286Dの正方形断面で、副空気室が2個の標準型MCAP-CRである。ダクトには、紙管を使ってコストを抑え、手間 を簡略化する。最低共振周波数は、欲張らずに約70Hzとして代わりに中低域の量感を稼ぐという設計になっている。

 どんな音と音場感が出来るか分らないが、考えているうちが一番楽しいということだろうか。


2010/06/19

スピーカー再生技術研究会を発足

 下記にも書きました通 り、スピーカー再生技術研究会を発足させることにしました。左のロゴは、松ヒトシさんのデザインです。
 松さんは、鉄道アイドルの偶像デザインも手掛けるプロのデザイナーですので、お洒落なデザインはお得意なところです。ロゴは最終決定ではありませんが、 個人的には気に入っています。

  スピーカー再生技術研究会は、プロとは違う視線で、スピーカーの再生技術を見つめ、将来のために技術を残そうという研究会です。ですので、研究内容は全て 公開し、誰もがその結果を見られるようにしてゆきます。例会などはどうするか、課題は残りますが、少い会員でも少しずつ始めてゆきたいと思います。

 趣旨にご賛同頂ける方は、会員登録ペー ジから登録をお願い致します。登録情報は、氏名(偽名でも可)、居住地(都道府県名または国名のみ)、ハンドル名(会での個人識別 用)、連絡用メールアドレスのみです。会則案は、こちらを ご参照ください。皆様のご協力をお願い致します。

 7月上旬を目処に、会のウェブページを作ります。研究成果には、適当にご期待ください。よろしくお願い致します。

2010/06/13

イベントのための団体

  イベント会場を借りるための最大の障害は、地方公共団体に認められた団体ではないことです。認定されるのは難しいと思いますが、とりあえず生涯学習団体と しての義務のない気楽な同好会を作ろうかと考えています。団体の設立が出来れば、イベントは団体の名称で開催するかもしれません。現在のところは、個人名 で実施するかどうか可能性は半々というところでしょうか。団体を設立する場合には、このページで会員を募りますので、ご協力をお願い致します。

  また、どの会場も営業行為を禁じているので、不用品のオークションは行わず、希望者に差し上げようと考えを改めました。但し、希望の方が複数名おられ る場合には、話し合いで決めて頂くことになります。差し上げる条件はこれから考えますが、営利目的ではないので、大したものにはならないと思います。興味 のある方はお楽しみにしてください。また、試聴するためのお好きなCDをご持参ください。放出作品は、全て音を聴いて頂いてから差し上げます。変な音のす るものはご愛嬌ということでご了承ください。


読者の方々からのご支援

 昨日、イベント会場探しのことを書いたら、数名の方からアドバイスを頂きました。どうも有難う御座いました。

  頂いたアドバイスの中で、有力な候補があったので、そちらも検討したいと思います。イベントの具体化に向けて今週末は随分伸展しました。日程は9月後半を 考えています。また、展示の内容も工夫していきたいと思います。アイディアがありましたら、メールでご連絡いただけるととても有りがたく、よろしくお願い 致します。



2010/06/12

会場候補下見

 イベント共同企画のHさんが、東京に出て来られているので、今日は、会場候補の下見に文京シビックセンターその他の生涯学習センターを見てまわった。

  最初にシビックセンターのスカイホールに行ったら、どこかの会社が何かの催しをやっていたので入れなかったが外から何となく見ることができた。続いてアカ デミー茗台というところのレクリエーションホールを訪ねると、合唱サークルの方たちが借りておられたので、中身を見せて頂いた。楽器を準備しておられると ころで、音響的には大丈夫だということを確認できた。最後に自宅近くのアカデミー湯島に行って事務局に話を良く聞くと、生涯学習センターを個人で借りよう とすると、抽選に参加することも出来ないということが分った。文京区が認定した社会教育団体以外は、空いているところをスポットで借りるということしか出 来ない。しかも直前にしか借りられないので、事実上借りることは不可能であることが分った。借りるとすればスカイホールだけになるが、これも、搬入に手間 取るかもしれない。

  下見が終わって自宅で会場について話し合った。その結果、スカイホールか、静岡県清水町のホールを借りるのが最終的な選択肢になりそうだということになっ た。清水町のホールは、ブログハイエンド自作スピーカーのkenbeさんが紹介しておられたところで、350席もある立派なホールだが、格安で借りること ができる。これも実際に借りられるかどうかは確認が必要だが、可能性はありそうだ。駐車場もたくさんあるので、意外に良いかもしれない。もう少し検討が必 要である。

 Hさんが、 Tangband製W3-517SBのイコライザーに興味があるというので、外してみた。簡単に外れたのだが、イコライザーは、ネジ止めでなく、接着して あることが分った。

 左の写真の通り、イコライザーは段付の金属に嵌め込んで接着剤で留めてあるだけである。このため簡単に外すことができるが、元に戻すときは接着する必要 がある。

 この状態で音を聴くのをわすれて、すぐに接着してしまった。

 音を聴いておけば良かった。



2010/06/10

アンプのウォーミングアップ(2)

 6月6日に、固定抵抗をアンプのB端子に繋いで無音でウォーミングアップをしたことを書いた。それ以来、このウォーミングアップを実施するとアンプの音 が良くなったように感じる。
  使用しているパワーアンプはアキュフェーズのP-350で、これは1994年の発売である。購入したのは、モデルチェンジのときなので、その数年後ではな いかと思う。定価300,000円のところ160,000円と安く購入することが出来た。当時使用していた、マランツのPM-80aというA/B級切 替のプリメインアンプと比較するとその良さに嬉しくなった。バックロードホーンを鳴らしたときの安定感がPM-80aとはまるで違い、非力なス ピーカユニット(FE87)でもホーンロードに負けない駆動力を提供してくれた。

 その後、ユニエル電子のPA-036というパワーアンプ基板を使用 した半自作のアンプを愛用するようになった。PA-036の音がとてもクリアに聞こえたためである。その結果、P-350からは遠ざかっていた。それが、 つい先日から、無音のウォーミングアップを実施するようになってから、P-350の音を見直してしまった。

 しっかりとウォーミングアップしたP-350は、もやもやした感じがなく、クリアな音で、左右の分離も見事になった。そろそろオーバーホールかと思って いたが、今の音が良いので、暫く待つことにした。

 P-350は、ハイパワーで、8Ω負荷で150W×2の出力がある。考えてみれば、このようなハイパワーアンプを1W未満で使っていた。一番美味しいと ころを使わずに評価してはいけなかったのである。

  但し、やりすぎには注意が必要で、30Hz付近がハイレベルで記録されているオルガンのCDを使い、ヴォリュームを12時にしたら、1分もしないうちに抵 抗が臭気を出し始めた。P-350には電力計が付いていないので、テスターでも使わないとパワーが分らないのである。さすがに後ろに回ってテスターを繋ぐ というのも面倒くさいので、注意しながらやることに留めた。


2010/06/08

秋葉原通り魔事件から2年

今日で秋葉原通り魔事件から2年になった。
事件当日自分夫婦は中央通りを歩いていた。
歩行者天国だったので当然のように車道を歩いていた。
神田明神通りのところに人だかりが出来ていた。
今日は神輿が通る日だったかな?そんなことを話しながら人だかりのところに近付いていった。
妙に静かで話し声が殆ど聞こえなかった。
群集が何かを遠巻きに見ていた。
神田明神通りを抜けようとすると人が倒れていて、その人の頬を他の人が叩いていた。
左側を見ると、警備員のような格好をした人が座り込んでいて、その近くにも人が倒れていた。
その人たちを介抱する人が居た。
倒れている人が出血していたことは分らなかった。
何が起きたのか全く分らなかったが、自分が手伝えることは無さそうだった。
更に先でも人が倒れていた。
警察も救急車も来ていなかった。
その後もしばらく救急車や警察のサイレンは聞こえなかった。
日本橋で所用を済ませて帰るときに、頭上をヘリコプターが舞っていた。
自宅に戻りテレビを付けてようやく事件の内容を知った。
テレビやインターネットを見ると情報が次々と更新されていく。
ニュースで見た事件現場の図は自分が見た通りだった。
倒れていた方々の多くが心肺機能停止ということだった。
倒れていた方たちの多くは亡くなった。

秋葉原は、少年の頃から親しみのある街だった。
そしてとうとうこの地区に移り住んでしまった。

このような事件は二度と起こさないで欲しい。
今も亡くなった方たちのご冥福をお祈りしている。


2010/06/06

スピーカターミナル

 今日久しぶりに麻布 オーディオ秋葉原店をお邪魔した。ブログハ イエンド自作スピーカーで話題になっているパークオーディオの限定品DCU-F122Wを見てみたいという気持ちもあったし、自分が 好んで使っているスピーカターミナルを買い足す目的もあった。

 DCU -F122Wは、評判が良いらしく、最後の3ペアが残っていただけだったが、自分が居た間に1ペアはお取り置きになった。買ってもいいかな、と思ったが他 に欲しい人が大勢いるし、FostexのFE103En-Sも持っているのでやめておいた。パークオーディオのほうがお得な感じがする。

 それはさておいて、今回は、肝心のスピーカターミナルを3組購入することができた。
 自分が愛用しているこのRITシリーズは、安いし、小さくて音漏れが少いのでお勧めである。今までは、1個500円のRIT-CC1/GBを好んで使用 していたが、それなりに数を使うので、今回は1個250円のRIT-CC1/Pを購入した(上の写真)。
  倍の価格のGBと異り、ケーブルを留めるネジの部分がプラスチックで安っぽく、耐久性が悪そうだが、10年位は使えるのではないかと思う。半田付けする部 分が金メッキでないという差もあるが、音に対する影響は殆ど無いのではないかと思う。最も大きな違いは、フランジ部分にパッキンが付いていないことだ。こ の点を考慮すると、上位モデルのほうが良いかもしれない。この形状のターミナルは、箱に50mmの穴を開けるだけで良いので、設計が楽である。また、出っ 張りが小さいので、輸送中に壊す心配も少い。いいことずくめのような気がするが、意外に使っている人は少いようだ。

 ついでな ので、他に固定抵抗を2組と吸音材を購入した。MundorfのM-Capも結構な数が売られていた。自分の並列型多自由度バスレフを考案し たときに、いろいろな名称を考えていたのだが、M-Capというものがあることを知らなかった。名称を考案したときは、同じものがないか探したのだが、そ のときはM-Capを見つけることが出来なかった。MicrosoftのMCAPとかMCASとかも、最近は検索にかかるのだが、当時は存在しなかったよ うだ。Microsoftよりは早かったということでほっとしている。


アンプのウォーミングアップ

  企画中のイベントには、ユニエル電子のPA-036という安いパワーアンプを使おうと思っている。何かトラブルがあると困るので、アキュフェーズのP- 350も持参する予定である。このアンプは、鳴らし始めから安定するまでに数時間かかるので、ウォーミングアップの時間を短縮したい。そこで、スピー カ端子Bに8.2Ωの固定抵抗を繋ぎ、出力をBだけにしてヴォリュームを上げて鳴らして(?)みたところ30分位で安定することが分った。スピーカシステ ムは、端子Aに繋いであり、 ウォーミングアップ時には、繋がらないようにしている、固定抵抗だけを使うときには無音でウォーミングアップ出来るようになった。ヴォリューム位置は、 通常は9時位で使用しているが、固定抵抗だけを繋いで11時から12時位にすると、アンプがすぐに暖かくなる。スピーカを繋いでこの位置にすることはとて も出来ないが、抵抗だ けならうるさくないのでヴォリュームを上げられる。流石に最大位置にするのは怖い感じがするのでやっていないが、今のところ問題が発生していないので少 し安心した。

 マニアがこのようなことをやっているという話は聞いたことがないが、何か悪いことはあるだろうか?ヴォリュームを上げ過ぎなければ 特に問題は無さそうな気がするが、電気オンチの自分には少し不安でもある。固定抵抗は、インピーダンス特性が低域から高域までフラットというところがス ピーカシステムとの違いだと思うが、そうするとヴォリューム位置が同じでも電力消費が多そうなので、11時はやり過ぎかもしれない。電力の無駄遣いである ことは確かだが、鳴らしはじめの音はやはり聴きたくないし...

C130K16Dその後

 5月9日から、C130K16D を付けた130eRTR100bの音を毎日のように聴いている。この安物のユニットの音はなかなか良い。音は価格ではないことを証明する逸品かも しれない。半田付けのために端子を取った以外、ユニットは特に改造はしておらず、保護ネットもそのままである。音を鳴らすと保護ネットが振動しているのが 分るので、音には良くないはずだが壊したくないのでそのままにしている。

 C130K16D +130eRTR100bは、企画しているイベントのときに、保護ネットを剥がした音を聴いて頂いてから処分する予定のものなので、興味のある方はお越し ください。他にも処分予定のものは3機種以上あります。日程も会場も決まっていないのに気が早いですが。


2010/05/30

 いろいろ

 5 月23日の日記を読まれた方から、何かあったのかというお問合せを頂いた。書き方が悪かったのか、誰かにケチを付けられたというようなネガティブな印象を 受けたそうだ。実際にはそういうことはないのだが、20cm×2発の大型システムを作りたいという方がおられたので、止めたほうが良いというアドバイスを 差し上げたのであった。自作暦が永く、MCAP-CRも既に作ったとか音を聴いたという方だったら成功すると思うが、初めての人にはこのような巨大システ ムは全くお勧めできない。長岡先生だって、いきなり大型システムに挑戦するなというアドバイスをしておられたと思う。バックロードホーンを作るのなら、最 初はD-100位のシステムを作って好みを確かめてからD-58等に挑戦しなければ、好みに合わなかったときに取り返しがつかない。それと同じことであ る。何事にも順序がある。

 石のインシュレータが良いということを、放言のところに書いたら、それが良いのだと思い込んだ方がおられたよ うだ。自分が試した水晶系の石のインシュレータは確かに良かったと思うので紹介した。その理由は、『安いから』である。良いと思っても、高価だったら絶対 に紹介しない。しかし水晶系の石でなくとも、道端の砂利や河原の石等ただで入手可能なものでも試験可能である。大きさだって形状だっていろいろある。たと え500円位のものでも、近所に売っていなかったら交通費がかかるので、それなりの出費になるかもしれない。このようなウェブに書いてあることをいきなり 信じる前に、似たことを試してみるほうが良い。500円だって無駄にすべきものではないと思う。

 ヤフオクを見ていたら、このページで紹介しているが、実際には製作していないDU130aと いう箱が出ていた。特に感想は無かったが、一体どのような音がしたのだろうか?スピーカユニットにはAltecを使っていたそうだ?ちょっと気になる。感 想位は書いて欲しかった。そうしないと入札もしにく かろうと思う。この方からはメールももらっていないので、いまひとつだったのかな?ちょっと気になる。


  イベントの内容はまだ頭の中だけだが、考えただけで大変そうだ。スピーカシステムだけでも大変なのに、アンプやCDプレーヤも持っていかなければならな い。トラブルで音が出ないと困るから2組は必要になる。会場までどうやって運び込むか、考えてみたらそれだけでうんざりしたので、運送屋さんに運び込みと 運び出しをお願いするか?一体幾らかかるのだろうか?レンタカーを借りて有料駐車場を利用するのだったら、多分運送屋さんを使ったほうが良いのではないだ ろうか?しかし、会場よりも運送のほうがかかりそうだ。

 受付とか雑用は誰にお願いしようか、これも悩みの種だ。大学生の姪にでもお願いしようか。多少の花になって良いかもしれないし。

 プロジェクタは使ったほうが良いのだろうか?音を聴くだけでは退屈だろうか?会場の時間帯が中途半端なので夜間はどうしようか?疲れて空腹になるだろう し...などと考えていたらそれだけで疲れてしまった。本当に大丈夫かな?


2010/05/27

イベント会場探し

 3 月6日の日記で、MCAP-CRの発表の場を探していると書いた。その時点では詳しく書かなかったのだが、私のリンクで紹介している方との共同イベントと して企画している。発表の場については、知人を頼ったりしたのだが、あまり負担を掛けられないので、とりあえず自力で会場を探してみることにした。

  民間の会場を借りると高価なので、公民館のような公的な施設を探してみたところ、東京都で運営している人権プラザというところで視聴覚室が格安で借りられ るので問合せてみた。係の方にいろいろと伺ってみると、どうやら視聴覚室の防音が不十分で、過去に近隣から苦情が出たという。残念ながらここは諦めること にして別のところを探してみるが、『区内在住』のような制限が付くところが多く敷居が高い。

 最初は諦めていたが、 在住している文京区の施設を調べてみると、東京ドームの隣にあるシビックセンターのスカイホールという立派なところを借りる資格があることが分った。

 早速調査に行くと、左の写真のような立派な会議室で、披露宴をやったりも出来るところだった。安くはないが、自分の小遣いでも何とかできる範囲の金額で ある。

 問題は、抽選になるということだった。こんなに立派なホールであれば、貸して欲しい人が多いのももっともである。まさかシビックホールをこんな値段で借 りられるとは思ってもいなかった。
 このホールは、左の写 真のように、窓が大きく広々としている。シビックセンターの26階にあるので、外の景色も良い。

 この立派なホールを借りられれば、内容はともかく発表の場としてはこれ以上はないと云ってよい。

 シビックセンターにはこの他にも防音の立派な会議室があるので、そちらも含めて検討することにしようと思う。それもだめなら自宅の近所の文京アカデミー の音楽室みたいなところになるかもしれない。

 先の話で恐縮だが、一応9月中旬を目標に設定している。
 最初は2日間の開催を考えていたが、会場に機材を預かってもらえないので、頑張って1日にするしかなさそうだ。朝から準備して昼から開催、夕方までやっ て、それから撤収という厳しいスケジュールになる。ミューズの方舟の方は毎年やるのだからさぞかし大変だと思う。

 内容は、共同開催の方と話し合って詰めなければならないが、少しでも面白いことを考えないと、閑古鳥が鳴いてしまうというプレッシャーがある。ここが楽 しい悩みどころである。

 私ごとだが、自室が窮屈なので、新しい作品を作れないのが現在の大きな悩みである。このイベントをやって、少し自作品を整理できればまた新しい作品を作 ることが出来るので、ちょっと嬉しい。

 


2010/05/23

MCAP-CRの導入を検討している方へ

  国内外からMCAP-CRを使ってみたいという相談を頂くことがあります。MCAP-CRは、フルレンジスピーカユニットの苦手な低域を効果的に補強する 方式ですが、全て100%絶対成功ということはありません。それは、通常のバスレフ、バックロードホーン、共鳴管等でも同じことで、成功のためには、優れ たアプリケーション(設計)が必須です。また、アンプの適性(音の良し悪しではない)、好みの音楽ジャンルを合わせることが欠かせません。

 MCAP-CRの詳細については、標準型並列配置小部屋構造型スピーカーシステムの 項をご参照ください。ここには、設計にあたっての注意事項が書かれています。

 また、MCAP-CRのアプリケーションは、比較的失敗しにくいと思いますが、成功を約束するものではありません。条件については、ホームページの"Terms and Condtions"をご参照ください。個々の例についての成功、満足は保証していません。

  なお、導入される場合には、先ず、お近くに経験者がおられるかどうか確認し、第三者からアドバイスを受けてください。実際に作ったことがあるとか、音を聴 いたことがある、という人のアドバイスは参考になるでしょう。最も良いのは、失敗を覚悟のうえで、簡単なものを作ってみることでしょう。大きな失敗はない と思いますが、上記の通り、全員の趣向に合うことは約束出来ません。

 また、いきなり大きなものを作ることは絶対にお勧めしません。 20cm用の図面も載せていますが、冷蔵庫ほどの巨大なサイズになります。好みが合わない場合には取り返しがつきません。小型であればヤフオクなどでも売 りやすいでしょうが、大型では、コスト、スペース共に問題になります。

 音楽再生において最も重要なのは、中高域で特に中域が重要です。 中高域は、箱によって補正することが難しい部分です。MCAP-CRの場合、低域でバランスをとって聞かせるように意図していますが、中高域のキャラクタ が完全に消える訳ではありません。このため、既に作成されたシステムで、中高域のキャラクタがどうしても気になる場合には、箱を工夫するよりも、そちらを 先に修正しなければなりません。

 以上と同様に、情報の信用性は最小限に評価し、自身の好みを最優先するのが良いでしょう。過大な表現を信じるのは大変危険です。

 最後に、私自身は、オーディオのマスターではなく、一般の機械エンジニアとしての能力しか持ち合わせていないとことをお断りしておきます。音のチューニ ング方法や、知恵等は、ご自分で考えられるか、先人の意見を尊重してください。

2010/05/21

FE138ES-R

  先週土曜に行ったFE138ES-R+TR130cの試聴会について、オーナーのMさんに改めて感想を伺ってみた。Mさんが、FE138ES-Rに求めて おられたキャラクタは、今回聞かれたものとは随分違って、戸惑っておられるそうである。Mさんの言葉をお借りすると、この組合せは『壮絶』ということで、 私もまさしくその通りに感じた。

 当日の日記には書かなかったが、その後、半球の木材をセンターキャップの前にかざしてデフューザの実験 も行ったところ、少し優しい音になったようである。センターキャップは外れない構造なので、キャップに塗料をコーティングする実験は、しにくい。デフュー ザが最も実用的な対策かもしれない。

 Mさんは、その後、エージングを始められたということなので、もう少しエージングが進んだら、更に進んだ実験が可能になると思う。

 FE138ES-Rは、料理が難しいだけ、エンジニア心をくすぐるのだと思う。



2010/05/16

保護ネット

  昨日のFE138ES-R試聴会の後、ユニットをNf5Exに戻した。そのときに、防護ネットを付けないでみた。以前は、防護ネットにファンガードを使用 しており、音質劣化は少いと思っていたのだが、付けないで聴いてみると結構音が違うように感じる。あるときは分らないものが、無くなってみて分ったよう だ。音の濁りがなく、より自然な音になっている。

 スピーカユニットは高価なので、突っついて壊すことは避けたい。そのため、何らかの防護方法は不可欠と思う。しかし、音が悪くなるので悩む。システムの クォリティが上がるほどその差が大きく感じられるようになる。
 Fosterの C130K16Dには、最初から防護用のネットが付いている。いかにも音に悪そうだが、このネットを付けたままでもそんなに音に影響があるようには感じな い。しかし、これも取り除いたときに差が分るのだろう。

 このユニットは、安くて見掛けが悪いので、如何にも音が悪そうだが、中高域が美しく鳴る。クラシック曲をあまり聴かないのであれば、十分なパフォーマン スと云えるかもしれない。


 C130K16Dを130eRTR100b に取り付けてから約1週間になる。正弦波を聴いてみると、かなりのハイ上がりになっているようだ。8kHz以上は強烈である。また、 100Hz〜200Hz位の音圧が低くなっているようだ。
  この帯域の周波数応答は、箱のせいだけでなく、スピーカーユニットの特性によるところが大きい。これは止むを得ないところかもしれない。 40Hz〜80Hzは、十分な音圧で再生されているようだ。バランスが悪そうだが、実際に音を聴くとかなりいけているように感じる。聴取位置、部屋の状況 が合えば相当なパフォーマンスだと思う。FE138ES-Rと比べるとエージングに要する時間は無きに等しいので調整も楽である。

 130eRTR100bは、癖があるが好みの人も居ると思う。あとは仕上を変えればいい感じになりそうで期待が持てる。


2010/05/15

FE138ES-R+TR130c/c2

  5月6日の日記に、FE138ES-Rを試してみたいと書いたら、2名の方からご協力を頂くことができた。このページを読んで頂い ている方からのご連絡はとても嬉しい。

 FE138ES -Rは、限定品として鳴り物入りで登場した13cmというFostexでは新しいジャンルの製品である。フレームはマグネシウムダイキャスト、巨大なアル ニコマグネット、コーン紙も1日に20組しか作れないという贅を尽くしたモデルで、注目を浴びたものである。Fostexのお披露目には自分も訪問した。 あまり聴かないジャンルの音楽ばかりかけていたので、途中で切り上げてしまったが、音の素性は良いと感じていたものである。

  先週末に、隣県のMさんからご連絡を頂いたので、東急ハンズでTR130c/c2用サブバッフルを製作し、水曜に取り付けて、慣らしを続けていた。 FE138ES-Rは、中高域の癖が強いという印象を持つ方が多いらしく、死蔵されているケースも多いユニットである。慣らしは簡単ではなかった。最初は 何十年も前のテレビのような音で、フォーカスが悪く、音が拡がらなかった。数時間で多少馴染んでくるものの、翌日になると、また、元に戻ってしまう。但し 低域の力強さだけは特別で、低域側のレンジが拡がった感じである。

 そして、今日Mさんと、別にご連絡を頂いた、別の隣県のSさんと3名で、試聴を行った。
 今日は、朝から慣らし を行い、お客様の来られるのを待っていた。自室では狭くて人が入れないので、居間にスペースを空けて場所を作った。サイドテーブルがないので、自作スピー カー台をテーブル代わりにして、お客様がベストな位置で聞けるようにした。

 短期間のエージングではあっても効果はそれなりで、聞いている間にも中高域は少しずつ馴染んできた。造り付けの大型ピアノ、オルガン、太鼓など様々な ソースを聴いて印象を心に刻んだ。

 低域側は、圧巻である。合計片側約60LのTR130c型箱から低音が強烈に搾り出される。AudioBASIC50号特別付録CDにある飛行機の騒音 等は、実にリアルで、空気が揺れる感じが良く表現された。
 ソースによっては、中 高音がきつく感じられるものもあり、評価は微妙だった。

  私見では、エージングが全く足りない感じがした。本領を発揮するには、多分1年位はかかるのではないだろうか。現在のパフォーマンスは、未だ、作りかけの 状態だと思う。このユニットは、パフォーマンスも只者ではないが、エージングも只ならぬ時間がかかるものだという印象を受けた。恐らく1ヶ月位ではエージ ングできないと思うので、途中でギブアップする方が多いというのも理解できる。完全な状態で鳴らしたら凄いパフォーマンスを示すだろうとも思う。マニア泣 かせの難物であると云う印象を受けた。TR130c箱との相性は悪くないと思った。
 時間があっと いう間に過ぎ、最後に、FE138ES-Rを箱に戻し、FeastrexのNf5Exに交換して慣らすと、別世界の音になった。Fostexが、ハイファ イ指向で、ユーザーに対してパフォーマンスを叩きつけて来るのとは反対に、Feastrexは音楽を聴かせる。音量を上げなくても音楽が体に浸透してくる ので、会話も楽に出来る。このNf5Exもそんなに長時間慣らしている訳ではないのだが、新品の癖のようなものはない。FE138ES-Rとは、製品造り の指向が違うのだろう。

 全体的な印象を纏めると、FE138ES-R+TR130c箱の組合せは、パフォーマンスを十分に発揮できると 思う。但し、慣らしは絶対に必要で、慣らしが済まない状態ではどのような箱と組合せてもうまくいかないと思う。左右を逆相に繋ぎ、向かい合わせにしてハイ パワーで鳴らすというような運転を長期に亘って行うことが必要ではないかと思う。慣らしが完了したときのパフォーマンスは楽しみである。

 Mさん、Sさん、本日は大変勉強になりました。どうも有難う御座いました。

 追伸、TR130c型の箱の改良型は、こ こを参照してください。TR130c3というモデルは、cタイプとほぼ同じ基本設計で、製作間違いが少く、スピーカーユニット位置が 高くなるよう変更を加えたものです。

2010/05/09

TR100bの改造

 TR100bの改造に着手した。これは、 FE108Σを使用し、強烈な高域と低域を実現したが、重要な100Hz付近が寂しい音だったため、不満があったものだ。

 これを処分するため改造を計画していた。改造と云っても、ハイ上がりロー下がりのFE108狽、もう少しバランスの良さそうな、Fosterの C130K16Dに交換するだけである。

 C130K16Dは、車載用らしく、コネクタ端子も備えている。ここは、半田付けし、熱収縮チューブを被せて配線した。フランジ裏側には凹凸があり、そ のままでは音が洩れるので、3mm厚のスポンジゴムをパッキンとして使用した。
 バッフルの取付穴を、ジグソーで拡げ、何 とかユニットを取付けることができた。

 写真は撮らなかったが、最初はスポンジゴムがはみ出した状態で取付け、変形してから鋏で縁を切り取り整形した。取付は短い木ねじとした。チューニングし ながら徐々に大きな木ねじに変更してゆくのだが、この小型のものでも結構しっかりと留まっている。

 吸音材は、ゼロから始めようと思ったが、うまく外れなかったので、元と同じく、タオルウェス、台所用スポンジ、市販の吸音材とたっぷり入っている。

 C130K16Dには、写真のようにストッキングのようなネットが最初から付いており、破壊しなければ外れないようになっている。外したほうが音が良い はずだが、傷付けるのが嫌なので、最初はそのままにした。

 スポンジゴムのパッキンが上手に出来たので、ユニットは振動もなく上手に留まっている。

  最初に音を出したときは、いかにも新品の甲高く、酔っ払って二重に見えるような音を出していたが、音を出すうちにどんどん良くなってきた。数時間聴くと、 中高音は、高級機のような鳴り方になってきた。オルガンや大太鼓の低音も申し分ない。100Hz付近の落込みも少し解消されてきたようだ。
  ジャズを聴くと、もうこれで十分という音を聴かせる。これでエージングが進んで、更にネットを外すとどのような音になるのだろうか。これだったら、他の人 に譲っても問題ないレベルに仕上がりそうだ。書いているうちに、日が変って、5月8日から9日になってしまった。このモデルは、TR100bの130mm 用への改造機ということで、130eRTR100bと命名した。


2010/05/06

 今日ようやく出張から戻ってきた。シンガポールから7時間足らずだったが、それでも結構疲れた。

  標準型MCAP-CRのTR130c/c2(下の写真で網が掛かっているもの)でオルガンを聴くと、やはり8pの三部作 TR080b/CBT080a/AIT080aとは相当な違いを感じた。8cmでも32Hzが出ているには出ているようだが、音圧は低い、それに対して TR130c/c2は、32Hzを中域と同等のレベルで再生する(その何Hzか下ですっぱりと切れるが)ので、オルガンを体感出来る。スピーカーユニット が励磁の高級型というところも違うし、箱の大きさも全く違うので比較しては申し訳ないが、この差はしょうがないところだと思う。低音だけでなく中高音が全 く違うので、これを聴いてしまうと、8cmのローコスト機は分が悪い。オルガンは、低音の再生テストにばかり使われるが、正弦波に近い音を主成分にしてい るので、中高域の歪とか濁りの違いが分りやすい。本当は、FostexのFE138ES-Rで比較してみたいのだが、そのために購入するのも勿体無く躊躇 してしまう。持て余している人がいれば一緒に実験してみたいのだが...(独り言)

 FE138ES-RはTR130c/12で使用しているNf5Exの1/6程の価格なので、比較は可哀想な気もするが、磁気回路が立派だし、振動板面積 も同等なので、意外に健闘するのではないかと思う。


2010/05/03

ハセヒロのバックロードを聞く

 今日は、連休の中日だというのに、シンガポールに出張である。仕事なのでしょうがないが、やっぱり連休はダラダラしていたいと思う。

 折角なので、飛行機の中で日記と放言を更新してみた。狭いエコノミークラスなので、前の人が座席を倒すと小型のパソコンを開けるのにも往生した。本当は 眠るときも、座席を倒さないほうが楽なのに。エコノミークラスは座席を固定してもらえないものだろうか。

  長旅を終えて宿泊するのが高級ホテルである。3泊で、1,600シンガポールドルもする。しかもインターネットは別に1日30シンガポールドルもとられる のだ。自分の部門の経費なのでもっと安いところに泊まりたいのだが...日本のビジネス用ホテルはお得でいいなと思った。

 さて、もう半年近くも前のことである。ゲ テもん工作実験室の松さんが、オメガの会にスピーカをオメガの会に持参するということでMCAP-CR型の『バンビー ノ』を作って持参されるということで、MCAP-CR型のTR130aを差し上げた。TR130a型は、外観はきれいにまとまったものの、音が気に入ら ず、2 度のユニット交換と、ダクトの改造によって、他人に差し上げても問題のないレベルに仕上がったものである。これをお送りしたら、松さんから、申し訳ないと いうことで、ハセヒロのバックロードホーンを貸して頂いた。

 このバックロードホーンを時々聞いていたのだが、今回改めて聞きなおしてみた。

 このエンクロージャーは見事なカシュー仕上げである。小型の割りにずしりと重い。材質は多分MDFであると思うが、内部は曲面構成の凝った造りである。

  このスピーカーは、このサイズながら低域が良く伸びている。スピーカーユニットには9cmのVifaのものを使っている。低域は、恐らく40Hz位まで再 生しているのではな いかと思う。ホーンが短いので、もっと上ですっぱり切れるのかと思っていたらそうでもない。バックロードホーンの理論が不完全であること(ホーンの理論は 完全だと思うが)の証拠かもしれない。
  このスピーカーシステムの音に癖がないことはないが、ゆったりと心地良く鳴る。しかし、右上にあるCBT080aと比べてキレが足りないように感じた。そ こで、3点指示に使っていた丸棒木材を薄切りにしたものから、正体不明の丸っこい石に交換してみた。このインシュレータは、放言のところで紹介したものである。がっちりした固定はできずに、押す と前後に動くようなものである。しかし、これを使用したら音のフォーカスがかっちりと纏まって気になっていた部分が無くなってきた。

 もう少し使い込むと音が更にまとまってきそうだ。やはり、バックロードホーンは、可能性のあるシステムだと思う。


2010/04/25

プロの塗装技術

  大山さんのご好意で、『音工房Zのプロフェッショナル木工塗装動画セミナー(基礎・クリヤー塗装編)』を見せて頂いた。自分の場合、塗装は、中学校、高校 の授業で各1時間程度教わった他は、調べたりした程度で、殆どが自己流である。自己流でもそこそこの仕上がりにはなるがプロのレベルには遠く及ばない。大 山さんのセミナー作品は、大山さんご自身の研究の結果をまとめたダウンロード販売の商品である。こういうものが初めて世に出たというのは画期的なことだと 思う。内容が素晴らしいのである。

 今回のセミナーは、初級編で、ラッカー塗装を中心としたセミナーである。塗料や刷毛についての説明 は、ありそうで見付からないものである。商品なので詳しい説明は出来ないが、順番にやっていけば何とか出来そうな気がするように纏まっている。特に素晴ら しいのは、失敗の経験に基いて(多分)、ひとつひとつの工程に説明を付けていることである。

 自分は、なかなか塗装に時間を割けないが、いずれは挑戦してみたいと思っている。そのときは、自分のこだわりも織り込んでプロの仕上がりを目指そうと思 う。



2010/04/18

三土会

 昨日は、手作りアンプの会の関東三土会に参加した。風邪が流行っているらしく、マスクをした人も目立ったが、それでも20人くらいは集まっていた。毎月 欠かさず実施しているというのは素晴らしいと云うしかない。

  今回は、下に書いた通り、多自由度バスレフを3機種を1本ずつ持参した。ソフトは持ってゆかなかったので、他の方に提供していただいたMJ付録のCDか ら、チャイコフスキーの1812年を使用した。このソフトは聴いたことがなく、どのような音になるのか予備知識なく始めることになった。

  会場は、畳が45枚の部屋で奥に板の間が6〜7畳位あり、入り口側も襖で外に繋がっているような大きな和室なので、流石に3インチの片チャンネルだけとい うのは厳しかった。正直言ってぼそぼそ鳴っている感じだったので、3機種が終わってから、最後に適当な2本で同じ曲をステレオ再生したところ、随分ましな 感じになった。同じCDにあるトラック7の"Jazz Variants"は、広い部屋にもかかわらず良い感じで鳴っていた。

 プレゼン テーションにあたっては、3機種の基本構造を説明したが、どの順番にかけるかは自分も知らずに明かさなかった。最後に、差が分るかを会場の方にお聞きした ところ、殆どの方が、差が分かるということだった。何が違ったかをお聞きしたところ、大砲の音の残響時間が違うということであった。どれがどれかを明かす 前に、残響時間の短い純から並べて頂いたところ、AICC-CR<標準型MCAP-CR<CBS-CRの順であった。CBS-CRの残響が一番長いのは、 予想通りとしても、確かに、AICC-CRのほうが、箱の音が抜けるのが速そうに思う。手作りアンプの会という耳のいい方の力をお借りして何となく差が 分ってきたような感じがした。

 三土会は、毎回議事録を読むことができます。こ こをご参照ください。

2010/04/15

今週の三土会

 手作りアンプの会の会員でありながら、このところ三土会にはご無沙汰していた。2月は母親の誕生会、3月はパリ旅行と続いたためでもあるが、ナマクラ だったことは否めない。今週の三土会にはお邪魔しようかと考えている。

  出し物は、多自由度バスレフの最新3機種である。3セット持って行くのは大変なので、片側ずつ持ってゆこうと思う。興味があるのは、これらの差を聞き分け られるかどうかという点である。自分の場合、切替試聴では差を聞き分けるのは難しい。同じモデルを暫く聴いていた後に取り替えると差が分ったような気にな る程度である。

 説明資料はこの通りで す。三土会は、リンクにある手作りアンプの会を参照してください。



2010/04/04

FE103En-S

 先週、FE103En-SがFostex から届いた。

 どう使うのか決めていないのだが、Fostexとしては久々にリーゾナブルな価格帯の『限定品』だったし、2度と出ないという噂のあったパルプコーンの 強力版だったので、ちょっと迷ったが購入してみた。

 今回は、何も問題が無かったようで、スケジュール通りの納品だった。

 正面から見ると、綺麗なパルプコーンで、品質上の問題点は無さそうだ。外見からは、センターキャップの接着剤の塗り斑も見えない。
 受入れ時にいつも確認するのは、端子間の 直流抵抗なので、テスターで測ってみると、2本とも6.8Ω前後で、問題は無さそうだった。初期不良として発見しやすいのは、断線と短絡なので、これだけ は確かめておかなければならない。

 背面の様子は写真の通りで、メッキが美しい。磁石は、100mm径のフェライトで、FE108Superと同等なので、期待が持てる。

 フレームは従来通り、爪付ナットを使えない小型のもので、同社の姿勢には疑問を感じる。
  端子は、金メッキされており、FE108Superよりも高級感がある。しかし、端子の位置が、取付孔と重なるため、問題が起きやすいだろう。孔が8つあ ることにも疑問を感じるが、そのうち一つが端子と同じ位置に来るということで、工作の失敗が一層起きやすくなるだろう。端子板の位置は、22.5度ずらし て孔と同相になるのを避けるべきであった。このあたりに、同社のセンスの無さを感じる。

 とりあえずはこれで作ってみるしかないが、さて、どのような作品を作ろうか、今のところアイディアがない。


お知らせ
 MCAP-CRのページを下記の通り改定しました。
  1. 作例を20cmのTR200aから、8cm3部作のTR080b、AIT080a、CBT080aに変更しました。内容は、殆ど 日記部分からの転用です。
  2. AICC-CRやCBS-CRもMCAP-CRの定義に該当するので、従来のMCAP-CRを標準型MCAP-CRと明記しまし た。
  3. 標準型MCAP-CRの設計ガイドラインをまとめました。
  4. よくある質問をまとめました。
なお、従来のページもそのまま残してあります。


2010/03/27

パリ旅行

 3月18日〜3月25日の間、休暇をとってパリに旅行に行ってきた。

 目的は、パリのオペラ座で、 "Faust"を聴くためであった。休暇を取ると決めたらすぐに、オペラ座のウェブでチケットを注文し、夫婦2名で2回分の合 計4枚を購入することができた。

 "Das Rheingold"の公演もあったのだが、こちらは残念ながら購入することが出来なかった。
 Gounod の"Faust"というオペラは、自分にとっては最高の作品で、これ以上のオペラは今後も出ないのではないかと思うほどのものである。自分のオーディオ は、この曲を聴くためにあると云っても過言ではない。しかし、それだけ思い入れが強いと、却って滅多に聴くことができなくなる。体調が万全で、外部のノイ ズを遮断しておかないと、作品に対して失礼になるからだ。だからこそ、生で聴くのが最高である。

 今回の"Faust"は、GounodではなくFenelonの作品であった。1952年生まれの作曲家の現代曲である。歌詞はGounodの作品がフ ランス語であるのに対し、この作品はドイツ語で、話の内容も異っている。Gounodの作品でさえ、滅多に公演することはないので、Fenelonのこの 作品は、今後も殆ど演奏されないかもしれない。パリのオペラ座では、この作品をレパートリーに加えたということなので、今後も取り上げて欲しい。勿論、 Gounodのほうも忘れずに取り上げて欲しい。

  曲は、Gounodのように、静かに始まる。そして、最初は、主演のFaustが、嵐の中、頭蓋骨の山を登ってゆく。この嵐の表現が見事であった。特別な 小道具は使わずに、通常の楽器だけで嵐を表現している。嵐の表現で重要なのが大太鼓である。大太鼓は、強く叩けば皮を弾く音が高域成分を形成し、ゆっくり と叩けばどろどろとした音響で、不気味さ、恐ろしさを表現する。

 大太鼓は、旋律を構成する楽器ではないが、劇場の空気を揺さぶり、人の感情に影響を強く与える。オーディオでも、この楽器による空気の揺さぶりを表現で きなければ面白くない。自分がスピーカーシステムを製作したときは、必ず大太鼓の音を確かめる。

  このオペラは2幕構成で、現代曲らしく、静寂と強奏による構成が大部分を占める。主役のFaustは高い音域、Mephistophelesは低い音域を 歌う。ここは、Gounodと同じである。少しではあるが、一応バレエの部分もあり、得した気分にもなる。但し、人気のあるオペラ作品とは違って心地良い 旋律は殆ど出てこない。一般受けはしない作品である。

 本当のことを云うと、恥ずかしながら、この"Faust"がGounodの作品で はないことは、実際に聴くまで気付かなかった。最初の部分が始まったときは混乱して動揺してしまった。しかし、途中で気を取り直し、Fenelonの作品 に集中するようにしたのだった。自分のように勘違いしていた人が他にもいたようで、一幕が終わったところで周囲を観察すると微妙な空気が流れていた。幕間 の賑わいもなく、妙に静かで、二幕を聴かずに帰る人もいたのが残念だった。

 2回も聞いてみると、この曲の素晴らしさが良く分った。勘違いであったとは云え、このような作品に出会えたことは幸運だった。こういう作品に挑戦したパ リのオペラ座には惜しみない拍手を送りたい。
 オペラ座ガルニエの外観は、ご覧の通り豪 華絢爛である。ウィーンの国立歌劇場も素晴らしいが、こちらのほうが更に豪華な外観である。

 前後左右どこから見ても風格が漂う。ここに来ただけで、オペラを楽しむ気分が盛り上がる。

 この劇場の前には、いつも人が大勢来ているが、殆どは、オペラ劇場に用事のない一般の人々である。

 劇場の内部も左下の写真の通り豪華そのものである。写真には写っていないが、天井には、シャガールの絵が描かれている。
  特筆すべきなのは、この劇場では、どの席でもステージが良く見え、音も素晴らしいことである。どの席でも日本の劇場だったら、Sの上の招待席クラスであ る。日本の劇場が、殆どの席を最高価格にしているのとは大違いで、これでもちゃんと値段の差が付いている。自分が日本ではオペラを聴きに行かないのは、こ うした金儲け優先の価格設定が気に入らないからである。

 ここでは、最高グレードの席でも138Euroである。勿論自分も最高グレードの席を購入した。

 日本の劇場の価格設定は異常というしかない。4〜5曲聴くのであれば、ヨーロッパの劇場で聴いたほうが安く上がるかもしれない。


 折角パリを訪れたので、オペラの他に、時間 をかけて美術館を見て回った。

  ルーブル美術館は、今まで見た中で最高であった。モナリザの前には人だかりが出来ていたが、日本の人だかりとは違って、ほんの少し待つだけで一番前まで行 くことが出来る。モナリザは有名だが、作品から離れたところに柵が出来ていたので間近で見ることは出来なかった。ダ・ヴィンチの他の作品は、触れる位の距 離でじっくりと鑑賞することが出来た。ダ・ヴィンチの作品には修復された後が目立ち、オリジナルの状態とは相当違うのではないかと感じた。これだったら、 プロの職人が模写しても差が分らないかもしれない。

 ルーブル美術館は広いうえに、作品の数が多いので、散策しながら気になった作品の前 で立ち止まって鑑賞するようにした。テレビ東京の『美の巨人たち』で紹介された作品が数多く展示されていたので、それらの作品の前では立ち止まって鑑賞し た。イタリア絵画のコーナーに、妙に気になる絵があったので、立ち止まって見ると、その絵の前で固まってしまった。上記の番組で紹介された「ベアトリー チェ・チェンチの肖像」を描いたグイド・レーニの「受胎告知」であった。その作品を知っていた訳ではない。聖母マリアよりも圧倒的な存在感を示す大天使ガ ブリエルは、青白い少女の顔をしている。その表情は、その後のキリストの受難を予言するかのようである。こんな絵があったのか。作者は何故天使をこのよう に描いたのだろうか。学識の無い自分には想像できないが、一度見たら忘れることができない。しかし、自分の家がどのような豪邸であっても絶対に飾りたいと 思わない絵である。日常生活に入り込むことを絶対に許さない作者の強い意志を感じる。ルーブルでは、写真撮影が許可されているので、撮影はしてきたのだ が、こういうところに載せるのは適切ではないので掲載はしていない。

 ルーブルは、比較的空いており、旅行中に4回も訪れることができた。全作品を見るのは無理であった。作品数が多いのも勿論だが、つい同じ作品の前で足を 止めてしまうのもその理由である。これでは、全作品を見るためには100回位は通わなければならないだろう。

  ルーブルの他に、勿論オルセー美術館も訪問した。オルセーの前には長い行列があり、90分弱並んでようやく入ることが出来た。こちらのほうは、個人的な趣 味もあるが、ルーブルと比べると、文学作品と大衆小説のような差を感じ些かがっかりした。しかし、ルノワールやモネの作品を見ていてふと気付いた。ルーブ ルの作品の多くは、豪邸であっても飾りたいと思わないが、こちらの作品は、飾っていても邪魔ではない。日常生活に入り込むことを目的とした作品なのかもし れない。

 音楽は、作品そのものとそれを聴く自分との間に、演奏者が介在するのに対し、絵画は直接見ることができる。この差は大きい。プ ロの音楽家だったら、譜面を読んで感動することが出来るのだが自分の場合はそうはいかないので、結局演奏家の解釈を介在した音楽しか知ることが出来ない。 実際には大切な情報が欠損しているのかもしれないし、オリジナルよりも大切な情報が入っているのかもしれない。古の作曲家が現在の演奏を聞いたら自分が 作ったものよりも素晴らしいと思うのかもしれないし、変だと思うかもしれない。いずれにしても想像することしか出来ないので自分の好みで選ぶことになって しまう。

 劇場で音楽を聴くのと比べてオーディオ装置で聴くと、装置という媒体の他に、更に録音エンジニアや監修者等を媒介することになる。こうなるともう何が正 解なのか全く分らない。結局正解のない世界でもがくことになるのだろうか。


2010/03/15

TR080b/CBT080a/AIT080aの修正図面

 多自由度バスレフ型最新3モデルの製作を間違えたことは日記に記した通りである。勿論、元の図面通りのほうが良いと思うが、実際に製作したものと一致し ないのでは困るので、こ こに 実際に製作したものの図面を置きました。ご興味のある方は製作してみてください。どれもそんなに悪くない音です。スピーカユニットはTangbandのも のが、フレームの割に振動板面積が大きくて良いですが、FE83Enあたりでも恐らくいけると思います。サブロク半裁+縁の角材+木管で1組作れます。


 さて、このところ上記の3モデルのうちCBT080aを聴いている。とっかえひっかえ聴くのが面倒なので、あと1ヶ月くらいははCBTがメインになりそ うである。

 TR080b、 CBT080a、AIT080aのどのモデルも小型だが、15mm厚のスーパーシナアピトン材を使用しており、恐らく木製のスピーカーシステムの中では群 を抜いて剛性が高いはずである(上記の図面参照)。しかし、低音がハイレベルで記録された音楽を聴くと、天板がかなり強く振動している。アンプの出力のう ちかなりの割合が全体を振動させるのに使われているのだろうか。やはり、これだけの低音を搾り出すには重量も必要なのかもしれない。

 スピーカーユニットは、W3-881SJも悪くないが、別なものも試してみたい。ポリプロピレン振動板よりも天然材の繊維の振動板のほうが良いかもしれ ない。


2010/03/14

カメラのイベントと秋葉原の様子

 昨日は、『カメラと写 真映像の情報発信イベント〜広がるフォトイメージングの世界をヨコハマから〜』というイベントに行ってきた。

  目的は、『旅写真の撮り方、機材の選び方』というコンシューマセミナーだったが、その前に行われた『聞けばわかる。意識が変わる。デジカメ新発想楽習法 (前野勝美)』がとても興味深かった。前野講師のプレゼンの中で、「カメラでなければ見えない写真を撮る」、「ピントは外す」、「分ったから出来る」ので はなく「出来たから分る」という発想が意 外で参考になった。要は、先ず遊びながらやってみるのが大切なのだ。自分のオーディオにもその発想があるが普段は意識していない。意識して実行する ことは大切なのだと思う。
  セミナー以外のイベントは、トレードショーと趣味の展示会の中間であった。自分の興味を引いたのは、イベントコンパニオンを撮影する人が多かったこと。 ちょっと恥ずかしいように思うが、イベントコンパニオンも馴れたもので、カメラを構えるとポーズをとっている。個々の展示品よりも、人間の観察のほうが面 白かった。

 自分のウェブで使用しているカメラの殆どは、Sumsung製のDigimax A6というモデルである。これは、5年前のアメリカ出張の際に、持って行ったカメラが壊れたので、現地で購入したものである。自分以外にこのモデルを持っ てい る人を見たことがないので、日本での販売実績はないと思う。600万画素のコンパクトカメラで、購入した決め手は、AA(単三)型バッテリーを使用できる ことである。充電式バッテリーだけでは旅先での撮影に不安があるので、AA型のバッテリーを使用できるメリットは大きい。

 このカメラ は、分厚くてデザインも間が抜けているし、画質が優れている訳ではないが、操作が簡単で、画素数も程々なので使い良い。結構気に入っていて手放すことがで きない。また、露出を1〜2ステップ落とせば結構綺麗でブレが少く撮影できることに気付いた。露出を−2まで落とすと、夜景も結構ブレを少く撮影すること が可能なのだ。それに、暗いほうが夜らしくて良い。コンパクトデジカメは、概して露出オーバーになり、しかもブレることが多いので、他のモデルにも適用で きる設定かもしれない。
 本日は、会社で使う線 材を購入するために秋葉原に出かけた。オヤイデは日曜定休だったが他の店で買うことができた。

  秋葉原は、短い周期でどんどん変っている街だと思う。子供の頃は耐久消費財やオーディオの販売店が多かったが現在は、ご覧の通り、ケータイとメイドが目立 つ。また、『痛』アンプとか『痛』車とかの用語にあるような、アニメのキャラクタも目立つ。自分は出来ないが、昨日のカメラのイベントのように、イベント コンパニオンを撮影したり、アニメのキャラクタを買ったりするオジサンも少くないのだ。

 メイドさんをもろに撮影すると恥ずかしいので、風景として撮影してみた。

 今週からオペラを聴く旅をするので暫くお休みします。オペラと云ってもたった1曲で、同じ演目を2度聴くだけです。残念ながら他の公演のチケットは買え ませんでした。


2010/03/09

FE103En-Sを注文してしまった

 サイト巡りをしていたらFostexからFE103En-Sが限定発売になるということを知った。Fostexの限定品にしてはリーゾナブルな価格なの で、注文を出してしまった。3月末〜4月上旬の発送予定だそうだが、使う予定は今のところない。

 10cm クラスはTangbandで良い物が買えるし、FE103Memorial、FE108S、FE108Σを休眠させているので特に欲しいという訳ではな かったが、同社としては久々のリーゾナブルな製品として評価した。F特を見ると、中高域の上昇がなく使いやすそうだが、バックロードホーンには却って使い にくいかもしれない。多自由度バスレフで丁度良さそうな感じだ。Fostexは使いこなしが難しいというイメージがあるが、FE103En-Sには期待し てみたい。

 このところFostexのFE-nシリーズが好評なようだ。FE83Enは特に評判が良いので一度使ってみたいと思ってい る。FE83Eは持っているのだが、あまり好きな音ではなかった。Enになって良くなったのだったら使ってもいいかなと思うが、プレスフレームのフランジ はどうにかならないものだろうか。せめてTangbandと同程度の品質のフランジを使ってくれればFostexに戻りたいのだが、さて、どうなるだろう か。

 FE103En-Sのフランジについては、従来から相変わらずの小さなフランジで、爪付ナットが使えないこと、及び、無意味な8つ孔で あることが不満である。せめて12cmクラスの□型フランジにしてもらえないものだろうか?10cmと12cmのフランジサイズを共通にしたら何か問題が あるのだろうか?そもそも公称径10cmと12cmの違いは何?


2010/03/07

TR100bの改造を計画中

 昨日書いたように、現在までに製作した作品の処分のため、改造の検討を始めた。

 処分を予定している作品のうち最も大きくて置き場所に困っているのは、TR100bなのだが、これは、いい部分もある反面、100Hz付近が寂しいの で、一般性が無い。そこで、スピーカーユニットを12〜13cmクラスに変更しようと思う。

 スピーカーユニットの手持ちのものを探してみたら、ぴったりのものがあった。FosterのC130K16Dというフルレンジで、恐らく低級カーステレ オ用と思う。いかにも安っぽいが、音は良いという評判もある。これを以前購入して新品のまま保管していた。
 このユニットのフランジは、左の写真のよ うに、凹凸があって、普通のバッフルには取り付けられない。このため、使用できずに残っていたものである。

 スポンジ状のゴムシートを使えば、適当に凹凸を吸収してくれるだろうと思い、3mmと1.5mmのものを夫々購入してきた。

 実際にTR100bを改造するのは、もう少し暖かくなってからであるが、ちょっと楽しみである。

 このユニットの実効振動板面積は多分70cm2位あるので、ダクトの振幅は、30〜40%位大きくなるはずである。
  このユニットのマグネットは、80mm径×11mm厚とこのクラスとしては小さい。FE108系のような、芯のある低音は出にくいだろうが、ソフトでマイ ルドな再生には有利で、中高域のレベルもFE108系ほど高くないと想像できる。また、100Hz付近の音圧もFE108Σよりも何dBかは高いと思うの で、100Hz付近のディップも改善できるのではないだろうか。音を聴いて見なければ分らないが、他の方に譲っても問題ないレベルになれば嬉しい。


2010/03/06

実現できるかな...

  多自由度バスレフの研究には終りが無いが、いずれ、どこかでじっくりと発表する機会を設けたいと思っている。MCAP-CRが少しずつ普及してきているの で、実際に作った方は効果が分るのだが、多自由度バスレフは、製作が簡単という訳ではないので、聴いてみるまではそれだけ苦労する価値があるかどうか分ら ないと思う。そのような理由で、どこかでじっくりと話しながら、音も聴いて頂ける機会を設けることを検討している。

 具体的なことは何も決まっていないのだが、下記のことをやってみたいと考えている。

(1) 実際に音を鳴らすプレゼンテーション
 自分が用意したソフトと来場者が持参されたソフトを好き に鳴らして音の様子や限界性能を確かめる。また、多自由度バスレフの基礎知識と今まで得られた知見を公開する。

(2) 来場者とのお話し
 思ったこと等何でも、情報交換の場とする。

(3) 今まで製作してきた作品の放出
  私事であるが、今まで製作してきたものの置き場が無く困っている。しかし、他の方になら使っていただけるものがあるので、これらの作品を休眠状態から解放 したい。ヤフオクで処分することも考えたが、音を聴かずに入札せざるを得ないというシステムに問題があるので、実際に音を聴いて判断して頂くのが適切だと 思う。リーゾナブルな最高価格を事前に設定しておき、100円からスタート、最高価格以下で落札というシステムだったら問題ないだろうと考えている。
 一部はオリジナルのまま、一部は改造して出したいと思っている。



2010/02/21

NDRの実験

 ゲテもん工作実験室の 松さんから教えて頂いた、NDRの実験を行ってみた。

  松さんからは、後ろ向きのスピーカユニットへの入力は多少抑えたほうが音が引っ込まないということで、接続方法のアドバイスを頂いていたのだが、時間がか かったため試すことは出来ず、結局全てのスピーカユニットに同じ入力を加える方法となった。結論から云うと、この方法でも音が引っ込むことはなかった。

 今朝6:40頃から準備を始めたが、8:00になっても仕上がらず、その後朝食を採った。結局開始できたのは9時頃になった。この程度の準備でも結構面 倒なのである。
 NDR システムとしての設置方法はいろいろ検討してみたのだが、結局は、この置き方しか出来なかった。下段が正面に対して中央向き135度、中断が正面向き、上 段が正面に対して外向き135度となった。本当は、正面以外は120度にしたかったのだが、不安定だったので、この置き方しか出来なかった。

  接続は、3ユニットを並列に接続し、アンプの+側には、3.9Ωの抵抗をシリーズに繋いである。スピーカユニットが公称8Ω(直列抵抗6Ω)しかないの で、そのままパラに繋いだのでは、8/3Ωしかなく、アンプが心配だったため、ここに3.9Ωをシリーズに繋いで、約6.6Ωである。アンプの効率は下が るが、実験には十分だった。
 正面向きがMCAP-CR、中央向きがCBS-CR、外向きがAICC-CRとした。特に意味は無く、置いていったらたまたまこうなっただけである。あ ちらこちらを向いているので、組合せを変えても差は殆ど無いだろうと思う。

  最初に、スメタナの『我が祖国』(ORFEO C 115 841A; Rafael Kubelic/Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)、カトリック教会の録音(DM 848 02; VESPRES A MONTSERRAT)、ギリシャ正教会の録音(I.M.A.C101; HOLY METEORA)、Audio Basic 50号の付録CD、プロテスタント教会(英国国教会)の録音(ICCD43430; Sing for Joy 2)と、NDRの状態、MCAP-CRだけの状態を切替ながら聴いていった。

 最初に『我が祖国』をNDRで聴いてみると、体全体が音に 包まれて、スピーカー全体が大型化したように感じた。体の位置を変えても立ったり座ったり姿勢を変えても音像は不自然にならない。同じ曲をMCAP-CR だけで聴いてみると、これも決して悪くない。音像はシャープで、オーケストラの質感も悪くない。

 次に、NDRでカトリック教会の録音を 聞いてみると、体全体が音に包まれる感じは上記と同様だが、天井の形状や教会の形状が分るというほどでもない。MCAP-CR単独で聴くと、音像のフォー カスが良くなり教会の雰囲気は良く分るが、包まれる感じにはならない。いずれにしても、教会内部の形状が分るほどにはならなかった。モンセラート教会は、 実際に訪れてそこのオルガンを聴いたことがあるので、思い出しながら聴いていたが、狭い部屋(12畳)で聴いているせいか、教会内部の空間の再現は無理な 感じがした。

 ギリシャ正教会の録音はオルガンがなく、女声だけである。これは、上記のカトリック教会の録音よりも生々しく、合唱隊の並び方が良く分った。こちらは、 NDRの再現力が、MCAP-CR一発よりも優れているように感じた。

 Audio Basic 50号の付属CDは、低音チェックから環境音の再現性まで様々な音源が収録されている。この中から、環境音の部分である、トラック12、14−17を聞き 比べた。

 最 初にトラック15−17の奄美大島の浜辺、水の流れ、森の調べを聞いた。NDRシステムでは、流石に音に包まれて情景を良く再生する。波で足が濡れそうに なるような感じも見事である。ところが、MCAP-CR一発で聴いても波のしぶきの音や、泡が潰れてゆく様子、波が足元に打ち寄せてくる様子は明確に再現 出来る。これはどちらが良いか決めかねる見事な再現性であった。

 トラック12に収録されている飛行機の騒音は、NDRのほうが体全体を包むのが得意だが、どちらで聞いても定位は明確、上下を鳴らし分ける能力には差が 感じられなかった。もっと差が付くと思っていたのが意外な結果だった。

  最も差が良く分ったのは、トラック14にある日光山輪王寺の除夜の鐘の様子であった。NDRは、鐘の音、お経の声の奥行きの再現性が見事で、MCAP- CRに差を付けた。但し、MCAP-CR単独で聴けば、これも恐ろしい位にリアルである。但し、MCAP-CRがオーディオ的に音場を外から観察する感じ なのに対し、NDRは、その場に入り込んだ感じになる。

 上記の試聴において、ヴォリウム位置はMCAP-CR一発でもNDRでも共通 だったので、NDRのほうがパワーが約9.5%(スピーカーユニットのインピーダンスを公称の8Ωとして計算した場合の計算値)多く入っていたことになる が、 音量差はあまり感じられなかった。スピーカーに直列に固定抵抗を入れるのは、音に良いことはないのだが、結構聴けるものだ。

 今回は、 MCAP-CRを中心としたシステムで組合せのNDRと一発との差を聞き比べた。NDRにしなくても音場感は十分に再現できていた。MCAP-CRの TR080b型は、ダクトが前に2本、後ろに1本出ている。ダクトからの放射も音場感の創製に貢献しているのではないだろうか。そう考えると、AICC- CR型のほうが奥行きの再現性が良いという理由も納得できる。短時間の試聴では断定できないが、今後、自分以外の人の力を借りて試聴してゆけば、興味深い 結論が出るのではないか。また、いずれにしても、NDRシステムは、音場感の再現に有利であり、研究の価値がある。16Ωのスピーカーユニットが入手でき れば作りやすいのだが、残念ながら16ΩはFeastrex位で、殆どが4〜8Ωの低インピーダンス型になっている。松さんの説明のように、正面にパワー を多めに入れるのであれば、正面を2発とし、シリパラで接続すれば、8Ωとなり使えるのだが、いきなりそのようにするのは危険が大きい。松さんの実験レ ポートも読んで検討したい。



2010/02/13

CBS-CRのインピーダンス傾向

 一昨日は、全機種のインピーダンス傾向を調査した。しかし、気に入らない部分があった。
1.MCAP-CR以外はウォーミングアップしていなかった
2.同じモデルの左右を比較していなかった。
3.裸の状態のインピーダンス傾向を調査しなかった。
また、これとは別に、CBS-CRのグラフ右側170-195Hzにある2つの山が気になっていた。測定方法の問題なのか、あるいは、個別のばらつきなの か。そこで、今日は、CBS-CRを2時間弱ウィーミングアップした後に左右を比較してみた。

 以下が左右の比較である。どちらも同じ場所、同じ基準で調べてあるので、公正な比較だと思う。



 170-190Hzのふたつの山は、どちらにもあった(水色の矩形で囲んだ部分)。即ち、これは、CBS-CRの箱によって、スピーカユニットに何らか の負荷をかけていることの証拠である。今のところ思い付く理由は無いが、ゆっくり考えていきたい。

 左右をもう少し比較すると、2つの間に微妙な違いがあった。上側の#1では、ディップの部分が鋭く落ちる傾向がある。それに対して下側の#2では、 ディップの落ち方がなだらかで、値も大きくなっている(黄色の楕円で囲んだ部分)。

 また、理由の良く分らない36-50Hz位の谷の部分の形はかなり異っている。これはばらつきの範囲なのだろうか。

 比較のために、裸の状態で同じ測定をしようとしたのだが、スピーカユニットのフランジがバッフル面に固着していて外れなかった。いずれは吸音処理等をし ようと思っていたがこれでは出来ない。これは困った。

 CBS -CRは、先日の松さんとの試聴会のときは全く注目されなかったものである。しかし、自分は、CBS-CRに対しては可能性を感じている。2009年11 月29日の日記に書いたように、CBS-CRは設計上レイアウトし易い形式なのだ。音は期待しないで作るだけ作ってみたのだが、なかなか捨てたものではな い。他の2機種と比べても低音の出方は自然で(他が不自然という訳ではない)、鬼太鼓座の太鼓の後を引く響きも自然に再生する。Audio Basicのオルガンによるドシラソファミレドも聴感上では最もフラットでローエンドも延びているように聞こえる。主空気室に繋がっていない副空気室のダ クトからの低音は他よりも一拍遅れる(ダクトに手をかざすと分る)が、これが音の味付けにもなっている。CBS-CRの設計方法が確立できれば、多自由度 バスレフの中で最も作りやすく、効果を上げられるのである。


2010/02/11

MCAP-CR/CBS-CR/AICC-CRのインピーダンス傾向

  本日は、新モデル3作のインピーダンスの傾向を調べてみた。本当のインピーダンスの測定は大変なので、長岡先生と類似の方法を用いて傾向だけを調査した。 方法は、スピーカーシステムと直列に100Ωの抵抗を接続して定電流駆動に近い形とし、そこにリニアスィープ信号を加え、スピーカー端子間の電圧をFFT にかけてピークホールドしたというものである。長岡先生はピンクノイズを使用しておられたが、ピンクノイズでは大雑把過ぎて細かいところが見えないし、見 たい部分が変動ノイズに埋もれてしまうためである。いずれにしても、インピーダンスの正しい値が分る訳ではなく、相対的な大小が確認できるだけである。

 グラフのコピーを下に示すが、見にくいので、原寸大のグラフは、こ こに置いた。



  上の4枚のグラフは、左上、右上、左下、右下の順に、MCAP-CR(型番TR080b)、AICC-CR(型番AIT080a)、CBS-CR(型番 CBT080a)、そして最後はAICC-CRの組立を間違ったもの(型番AITW080a)である。表示範囲は、20Hz-200Hzであるが、スィー プ信号が10Hzからしか始まっていないので、20Hz付近は低くなっている。

 インピーダンスの値が低くなっているところが、MCAP -CRの負荷がかかっている部分である。簡易に計算されたMCAP-CRの共振周波数は、ピンク色の縦線(A,B,C,D,E,F)で示した通りである。 その他は簡易計算さえも出来ていないので良く分らない。この結果を見ると、B以外は一応ローカルディップに近い値になっているので、計算の信用性がそこそ こありそうな感じがしないでもない。しかし。よく分らないのは、いずれの場合も、36-50Hz位(黄色の楕円で囲んだ部分)にディップがあることであ る。この帯域には大きな負荷がかかっているようだ。この帯域は、簡易計算で示された帯域よりもかなり下であるため、現在の簡易推定法では、これが何の負荷 なのか良く分らない。

 夫々を良く観察すると黄色で囲んだ帯域はいずれも負荷がかかっているが、負荷のかかり方が異っている。MCAP- CRは、鋭いディップがあるが、その他はなだらかである。最もなだらかなのが、製作を間違えなかったAICC-CRである。偶然なのか当然なのか、 AICC-CR(右上と右下)は、正しいほうも間違ったほうも良く似ている。AICC-CRは、MCAP-CRの副空気室間に穴を開けて繋いだだけである が、100Hz以上の帯域の負荷分散がMCAP-CRよりも平滑化されている。松さんが、AICC-CRを選ばれたのは、偶然ではなさそうだ。

 CBS-CRは、MCAP-CRやAICC-CRよりも50Hz以下の負荷のかかり方が小さいが、57Hz位に大きな負荷がかかっているのと、中低域に 広く負荷がかかっているようだ。これだけでは良く分らないが、研究を進めれば実用性が出そうである。

  いずれのモデルも、低域には負荷がかかる構造となっているので、低域の再生限界が延びていることが裏付けられた格好である。このように低域のインピーダン スが低いシステムは、アンプを選ぶ傾向がある。ダンピングファクターが高く、電源のしっかりしたアンプでなければ真価は発揮されないと考えたほうが良い。 真空管アンプでは真価を発揮できない場合が多いのではないかと思う。

 今日は、MCAP-CR特許の審査請求を提 出した。

 実際に自分で手続きを行った方はお分かりと思うのだが、特許の手続きは、決して難しくないのに、特許庁のページは、全く理解できない。『こういう仕事の 仕方はやめなさい』という典型例のようなものである。

  特許庁のページを見ると、根幹となる情報と例外中の例外のような情報とが渾然と入り混じっている。むしろ例外中の例外情報のほうがトップにあると云って良 いと思う。それなので、自分の知りたい情報にたどり着くことが出来ない。しかも、それらしい説明も、自分の知りたいこと(多分殆どの人が最初に知りたいこ と)が明示的に説明されていない。暗示的に想像するというのも正しくないので、結局自分のやったことが正しい手続きなのかどうか、特許庁から書面で来るま で分らないのである。こんなページを見て理解できる人が居るのだろうか?どうして典型例を載せてくれないのだろうか?

 もうひとつ文句を 云いたいのは、高過ぎる手数料と、手数料の無意味な減免制度である。自分の場合、請求項の数が4なので、出願審査のために、184,600円もかかる。 『資力に乏しい個人』のための減免制度というのがあるにはあるのだが、真面目に生活して納税している人は対象外になっている。



2010/02/08

設置台とインシュレータ


 昨日の試聴会は面白かったが、どれもエー ジングが不十分だったし、慌てて準備したこともあるので完璧とは云えなかった。

 また、吸音材も入っていない状態だったので、中高音の差に意識が集中し、多自由度バスレフ型の特徴である低音の表現能力が分りにくかったのも事実だと思 う。

 松さんは、楽器にも詳しく、シビアな聴き方をされるので、自分のようなナガラの聞き方では分らない差を聞き分けることができた。

 自分の場合は、機械的な調整をするのが限度であった。左の写真の台は、桂の丸棒3点+調整用ネジ1点の4支点で、ぐらつきがない。

 これは、セッティングの不十分さによる曖 昧さを嫌ったためのデザインで、結構上手に出来たと思う。

 昨日は、この他にインシュレータを準備していた。左の写真のように、スピーカシステムの脚の下に、水晶の粒を置き、聴いて頂いた。この方法は Feastrexの社長さんから教えて頂いたもので、音の粒立ちが良くなるものである。

 何も無い状態(桂の20mm径丸棒を底面に接着してあるので一応3点支持)を基準とし、各脚の下に水晶粒を置いた状態、ピラミッド型ブビンガ材に漆を含 浸させたものを置いた状態の3通りを比較して頂いた。
  松さんは、水晶の粒をインシュレータにしたのは初めての経験だったとのことだったが、この状態が一番好ましく聞こえたとのことだった。写真の水晶粒は、 Feastrexから頂戴したものではなく、松さんを御徒町の駅まで迎えに行った途中で見つけたガード下の石屋(?)さんで一杯525円で購入したもので ある。粒の大きさがバラバラなので、サイズの近いものを適当に選んで置いてみたのだが、これが一番好ましかったというのが面白かった。次は水晶粒が一番良 かった理由を考えてみたい。



2010/02/07

お客様を交えてのMCAP/CBS/AICC比較試聴会

 今日は、ゲテもん工作実 験室の松さんが、3機種を聞きに来られた。


 松さんは、上記ブログで特集している MCAP-CR型のバンビーノを調整中であり、3機種の違いに興味がおありである。

  自分のリスニングルームは狭いので、リビングルームにシステムを持ち込んでお聞き頂いた。リスニングルームで使用している機材を全て使うと大変なので、今 日は、StuderのD730、ユニエル電子のPA-036を使ったパワーアンプと、テクニクスのSU-C1000MK2という懐かしいプリアンプとの組 合せで聴いていただいた。

 試聴ソースは、松さんがお持ちになったCDで、クラシック、ジャズ、女性ヴォーカル、環境音と様々であった。
  最初に、夫々のスピーカーシステムの素性を隠し、ブラインドに近い形で聴いて頂いた。外観は共通なので、黙っていれば、ブラインドに近くなる。AICC- CR、CBS-CR、MCAP-CRの順に聴いて頂いた。ヴィヴァルディの室内楽の同じ部分を聴いた後の感想は、AICC-CRが『奥行きがあって良い』 ということだった。勿論AICC-CRだとご存知の訳ではない。AICC-CRは、MCAP-CRとほぼ同じだが、各副空気室間の仕切に穴が開いているこ とだけが違っている。しかも、片側(今日は右側)は、間違えて別な構造になっている(一応AICC-CRにはなっている)。

 松さんが来られる前に、オーディオベーシックの付録CDで、左右の接続と、正相・逆相をチェックしていた。最初にAICC-CRを聞いていたが、正相と 逆相の違いが分りにくかったので、左右共通のCBS-CRでチェックしたら正相と逆相の違いが良く分ったのだった。

  ところが、音楽ソースを使うと、確かに、他の2機種よりもAICC-CRのほうが奥行きが勝っていた。理由は良く分らないが、今日のところは、AICC- CRが良いという結論になった。ひょっとしたら、AICC-CRのエージングが一番進んでいたのかもしれないが、今後の興味が一層深まった。

 お昼過ぎの短い時間だったので、十分な試聴は出来なかったが、聴きどころをいろいろと教えて頂いた。どうも有難う御座いました。


 実は、松さんから、ハセヒロ製のバック ロードホーンをお借りしている。写真の中央左右にある黒くて美しいものである。

 小型だが、ずっしりと重く、丁寧な造りで、カシュー仕上を施してある高級品である。スピーカー端子も左右独立の高級仕様である。

 松さんのご感想では癖が強いということだったが、素直ないい音だ。低音も思ったより伸びている。低域には多少ディップがあるようだが、それも音造りに なっている。バスレフとは趣が大分違うが、やはりバックロードは悪くない。

 今回、松さんが来られるので、スピーカ台を突貫工事で製作した。サイコロ型のスピーカには、是非とも台が欲しいところなので、製作を予定しており、材料 もそろえていたのだが、本当はゆっくり作るつもりだった。上記のバックロードホーンを載せているのがその台である。

  台は、30mm□の栂の角材と、18mmのパイン集成材で製作している。栂の接着は結構面倒で時間がかかった。また、紙やすりをかけるのは一苦労であっ た。4本脚のタイプだが、1点だけは、ネジで高さの調整が出来るようになっているので、床が多少凸凹していてもがたが出にくいように作ってある。これを昨 日ウレタンニスで塗装し、今日からようやく使えるようになった。作ってみると結構便利である。早く作っておけば良かった。



2010/01/31

MCAP/CBS/AICC完成!


 昨日までで、面取りと紙やすりでの仕上を 完了した。

 本当は早く音が聴きたくて塗装まで行いたかったのだが、暗くなったので作業を断念した。

 今朝からアクリルラッカー塗装を開始した。

 最初に2〜3倍に薄めたラッカーを底面と背面に塗った。これらの面は1回塗りである。

 次に、同じく薄めたラッカーを各面に刷毛で重ね塗りした。何回塗ったか覚えていないが、3〜4回位だろうと思う。

 最後にスプレーで3回位塗って塗装は完了である。

 スピーカーユニット取付用の爪付ナットを ボルトでねじ込んで装着し、端子板用木ネジの下穴を開けて機械部分は完成。

 VCTF0.75SQで配線して音が出せる状態になった。

 最初にMCAP-CRを仕上げ、メンデルスゾーンの交響曲第2番を聞きながらCBS-CRの配線を行う。

 MCAP-CRの音が最初に出た時点で感動だった。メンデルスゾーンが心にしみた。

 Tangbandの音は、期待を裏切ったことがない。今回の、W3-881SJも例外ではない。3インチ2,480円でこんな音を出してしまうとは、い つもながら驚きである。

写真はAICC-CR(見た目はどれも同じ だが)
 CBS-CRの配線が終わると、MCAP -CRから入換えて曲の続きを聞く。この曲を聴いても音がどう変わったのか良く分らなかった。

 続いて、AICC-CRの配線を完了し、同じ曲の続きを聴く。やはり違いは良く分らなかった。

 メンデルスゾーンが終わってから、曲を変えていろいろと聞いてみた。

 AICC-CRで、鬼太鼓座の『弓ヶ浜』を聴くと、結構大きなスケールで鳴っていた。ダクトからの風圧は恐ろしい位で、音というよりも風と表現したくな る。風を手で確かめていると、夫々のダクトの動作の違いが良く分った。ローエンドは意外に伸びているようだ。

  本当は、同じ曲をじっくりと聴いて各方式の音の違いを確かめたかったのだが、時間がないので、スピーカーをとっかえひっかえいろいろな曲を聴いた。オルガ ンはAICC-CRで聴いてみたところ、低音部でのダクトの風圧はすごいが、音は意外に控えめだった。とは云っても、普通の3インチのシステムと比較すれ ばかなり出ているほうだと思う。ローエンドは、40Hz前後ではないかと思う。

 ドイツのオーディオ雑誌で録音・演奏とも最高評価だった Bobo Stenson Trio(ジャズ)のCantandoをMCAP-CRで聴くと、低音も十分であった。このような曲であれば、大型のスピーカーで聞くよりも寧ろ良いかも しれない。同じ曲をCBS-CRでも聴いてみたが、やはり違うような違わないような感じだった。ローエンドはCBS-CRのほうが伸びているようにも感じ るが、自信はない。

 聞き比べるだけでも大仕事だが、じっくりと時間をかけて聴いていきたい。測定を行って動作の違いも検証したいのだが、もう少し先のことになりそうだ。


2010/01/27

MCAP/CBS/AICCの製作(その8)


 昨日檜の薄板を貼り付けて修正した MCAP-CRの荒削りを行った。

 鉋を使って、アガチスの角材と檜の薄板を削ってゆく。1時間ほど削るとまあまあの形になってきた。

 貼り付けた檜の板の形は分らない位に上手 に誤魔化すことが出来た。素人ながらまあまあの出来になってきた。

 ここから先は、紙やすりで仕上げてゆくので、週末の作業になる。

 今度の失敗は大きかった。

 AICC-CRのうち片側の組立を間違ってしまった!間違いの詳細は後から検証することにするが、どうしようもないので、間違ったまま組立てて音を聴い てみることにする。

 スピーカーユニットをどこに取り付けるのか悩むが、どうせ間違っているのだから深く考えてもしょうがない。間違ったほうが特性が良いことだって有り得る のである。


 ミクセルからスピーカーユニットが届いたので、週末にはMCAP-CRだけでも鳴らせそうである。W3-881SJ(2,480円)は、思いの外軽くて びっくりした。音のほうは心配していないのだが、もう少し高級感を期待していた。



MCAP/CBS/AICCの製作(その7)

 一昨日は、一応組立てたMCAP-CRの 角材の寸法の誤差(公称15mmより小さいこと)と作業の未熟さによる誤差を修正するために、寸法の小さな部分に、2mm厚×10mm幅の檜の板を貼り付 けた。

 木工ボンドを塗ってから貼って押えるだけで上手に付けることができた。勿論このままでは余計に汚いので、この部分は、鉋と紙やすりでアールをとって仕上 げるようになる。

 MCAP-CRの仕上は、次の週末になりそうだ。こうしている間に、CBS-CRとAICC-CRの組立を進めてゆく。

 一昨日に接合しておいた、CBS-CR (写真左)とAICC-CR(写真右)の様子である。

 CBS-CRは、主空気室から、第1空気室に抜けるダクトがない。小さな孔は、配線用の孔である。

 CBS-CRもAICC-CRも第1副空気室−第3副空気室、及び、第1副空気室−第2副空気室との間にダクト(板に穴を開けただけ)がある。これらの 穴は、MCAP-CRにはないものであり、これが動作に影響を与えるはずである。
 角度を変えて見ると、右側のAICC- CRは、第2副空気室−第3副空気室を繋ぐダクト(穴)が見える。

 これらの副空気室同士を繋ぐ穴が動作にどのような影響を与えるのか、解析は出来ていないので、音を聴き、インピーダンスの傾向を分析してから結論した い。
 本日(日が明けてしまったので正確に云う と昨日)は、更に、側面の板を接合した。

 MAKIZOUクラフトのカット精度は、コンマ1mmの狂いもないものなので、上手に接合すれば、接合部の段差は指先で感じることもできないほどであ る。誤差は恐らく10μm程度ではないだろうか。

 この状態で乾燥した後に、次は上下の板の接合を行う。

 この調子でいけば、週末には全機種の塗装までいけるかもしれない。
  スピーカーユニットW3-881SJは、本日ミクセルを出荷されたそうなので、明日到着しそうだ。小型ではあるがネオジウムマグネットを使った(比較的) ローコストスピーカーユニットの音も楽しみである。FE83Enより安いが、ダイキャストフレームである。ダイキャクトフレームのモデルを使うと、プレス フレームモデルには戻れない。



2010/01/24

MCAP/CBS/AICCの製作(その6)


 昨日日記を更新した後、組立作業に入った。

 先ずは、MCAP-CRから作成することにした。ここまでで、大体組立の目処が立った感じである。

 この後、バッフル板と後面の板を付ければ一応鳴らせる状態になる。

  ところが、バッフル板に左右があることを忘れていた!こだわって、左右対称に製作してあるので、一部の部品に左右の違いが出てしまう。この場合、バッフル には長さの異る2本のダクトが付いているのだが、長いほうは第3副空気室、短いほうは第2副空気室に収まるのが元の設計であった。
 しかし、そんなことはすっかり忘れて、適 当に付けてしまった。

 このため、共振周波数が設計と違ってしまった。この違いによって、最低共振周波数を多少上がり、内部ダクトの共振周波数の分布も変わってしまう。

 がっかりしたが、しょうがないので、このまま作ってみようと思う。計算はし直しになるが、大して変わらないのかもしれない。今回は、MCAP-CR、 CBS-CR、AICC-CRの違いを調べるのが目的なので、他の機種も同じように間違える必要がある。

 今日は、MCAP-CRが大体組み上げた他に、他の2機種の組立て準備を大体終えた。
 この箱は、スーパーシナアピトンの15mmのものを使っているため、持ってみるとずっしりと重い。TR080aが9mmのメルクシパイン材を使用し、軽 かったのに比べると、随分高級な感じがする。

 FE83Eでも取付けて、MCAP-CRの音だけでも聞こうかと思ったが来週以降のお楽しみにした。

  スピーカーユニットの候補は、いずれもTangbandで、W3-1364SA(3,700円)、W3-881SJ(2,480円)、W3-1231SN (5,500円)であった。しかし、6本も購入すると結構な額になるため、考えた末一番安いW3-881SJに決めた。それでも、送料と振り込み手数料を 加算すると、16,000円をちょっと超えてしまう。

 今回の実験は、結構コストが掛かっている。


2010/01/23

MCAP/CBS/AICCの製作(その5)

  本文とは関係ありませんが、お便りとかご質問を頂いたときは、余程のことがない限り、返信しています。若しも、返事がない場合には、Spamボックスを チェックしてください。スパムメールなどしたことはありませんが、稀にスパムフィルターにかかってしまうことがあるようです。


 昨夜まで、木口を隠すための桟を貼り付け る作業をしていた。桟を貼り付ける作業では、埃がたたないし、騒音も発生しないので、夜間の作業に都合が良い。

 今日は朝から、ダクトを研磨する作業をした。

 ダクト単体の研磨は終わっているが、板側は、工具で切ったままなので、ざらざらしている。このざらざらを研磨し、端面の角を軽く取る作業である。これ は、結構面倒だし、紙やすりを多く消費する。

 紙やすりはたくさん持っていたはずだが、100番以下があと1枚しかないことに気付いた。
 ダクトは既に接合済みだったが、これは、 ダクトの位置を合わせるための、小細工の様子である。

 ウッドパイプは、内径と外径の芯が合わないので、内径部分を、板の穴の芯に合わせたら、鉛筆で、3箇所に合わせ目の印を付ける。

 そのうちの1箇所には、基準点の印を付ける。これをやらないと後で分らなくなってしまう。

 木工ボンドを付けてしっかり押えると、ずれにくくなるので、その状態で、クランプする(1/21の写真通り)。

 こうすることで、穴の位置は殆どずれない。
 紙やすりが不足したので予定を変更して、 MCAP-CRの組立に入る。

 右側は、うっかり間違えて、正面と背面に板を接合してしまったので、剥がした木口が汚くなってしまったが、何とか剥がすことができて一安心だ。

 このまま数時間放置して接着強度が十分になった後に、次の工程に入る。
 こちらは、昨夜までに接合しておいた、木 口隠しの桟の様子である。

 素人仕事にも拘らず何とか出来た。これだったら、今迄よりはましな外観に仕上がるだろうか。



2010/01/21

MCAP/CBS/AICCの製作(その4)


 本日も引き続きダクトの接合を行った。昨 日の残となったダクトは全て圧着工程に移った。明日、圧着用のネジを外す予定である。

 また、フロントパネルへの桟の接合も開始した。予想してはいたが、15mmの角棒サイズが15mm厚のスーパーシナアピトン材よりもコンマ何mmか小さ かった。角材のほうが大きい分には削れば良いが、小さいと格好良く仕上げるのが難しい。

 自分でカットした桟のサイズは思ったよりも悪くなく、ちょっとした調整で組立てられそうだった。しかし、片側に端金を6本も使用し、しかも、2辺だけし か接着出来ないので、組立には気が遠くなる位時間がかかりそうだ。



2010/01/20

MCAP/CBS/AICCの製作(その3)

 本日ようやくMAKIZOUクラフトからシナアピトンのカット材が届いた。年末年始休暇があったとは云え、待っている間は随分と永く感じた。
 さすがにMAKIZOUクラフトのカット は見事だった。詳細に測った訳ではないが、間違いは無さそうだった。

  待ちきれずに、ダクトの接合から始めた。ダクトは、既に仕上げてあったので、貼り付けるだけである。しかし、ダクトの接合は100%接着剤に頼ることにな るので、強固に固める必要がある。圧着が弱いと後で外れてしまい、修正のしようがなくなってしまう。外部ダクトは、特に接着面積が小さいのでしっかりした 接合が必要である。

 写真では見難いが、芯を合わせて印を付けた後に、ダクトをボンドで板に貼り付け、ボルトとナットで強固に締め付けた。
  時間と治具の都合により、MCAP-CR用ダクトを全部と、AICC-CR用ダクトの一部を接合したところで本日は終了とした。次は、AICC-CR用の ダクトの残りと、CBS-CR用のダクトを接合することにする。その後は、木口を隠すための桟の貼り付けである。今回は、桟の貼り付けが上手に出来るかど うかが最大の山場となりそうだ。


2010/01/17

MCAP/CBS/AICCの製作(その2)

 今週末は、バスレフダクトの仕上にたっぷりと時間を使ってしまった。
 ダクトのカットまでは、先週のうちに出来ていたので、楽な作業だと思っていたのだが甘くはなかった。
 多自由度バスレフは、ダクトをたくさん使 うのが特徴である。

 今回は3組の多自由度バスレフ(MDOF-CR)を製作する。ダクトは、仕切の板に孔を開けるだけのダクトを除くと全部で、34本必要になった。

 ウッドパイプを切ってダクトにするようにしている。半端な残材が出ると勿体無いので、半端物を組合せて、1本のダクトにする。継接ぎだらけのサイボーグ のようで格好悪いが、アマチュアなので、時間よりもコストを重視してこのような面倒な作業を実施した。

 ウッドパイプは、元の精度が悪いので、外径と内径の芯が合わず、接合には苦労する。
 ウッドパイプは、内部の加工精度が悪く、 ざらざらなうえに波打っている部分もあるので、100番の紙やすりで、丁寧に磨く。

 写真のパイプは内径が21mmである。外径20mmの丸棒に紙やすりを巻くと、ダクトの中に入らないので、適当な素材を探してみた。少し細いものの、 キャブタイヤケーブルVCT-5.5(3線)を使うことができた。

 キャブタイヤに紙やすりを巻いて、内部のざらざらを削り取ってゆく。この作業は、思ったよりも大変で、筋肉痛になった。

 34本のダクトの内部を仕上げるのは骨が折れた。
 内部を仕上げた後は、端面を紙やすりで軽 く仕上げ、ダクトの外側部分(接合面でない側)の内側に、軽くテーパー加工をする。

 FeastrexのTさんは、テーパー加工が音を良くすると仰ったのだが、自分は、共振周波数が設計値からずれるのを気にするので、1mm程度に軽く面 をとった。同時に、接合面以外の角の面も紙やすりで削って何となく丸めた。

このような作業は、道具があれば簡単だが、手作業は楽ではない。

 右側のザルに乗った円板は、脚にするもので、外径20mmの桂材をマイターソーで、10mm弱の厚みに切り揃え、端面を400番の紙やすりで仕上げたも のである。

 今回は、3組まとめて製作することもあり、下準備にも時間がかかっている。
 先週末は、木口を隠す角材の加工とダクトの切断に8時間位、今回は、ダクトの加工に10時間位を要した。これだけ手をかけて音が悪かったらがっかりだ。

とりあえずは音だけでも成功することを期待したい。


2010/01/10

MCAP/CBS/AICCの製作(その1)

 1月5日の日記に書いたように、今年最初のプロジェクトは、MCAP-CR、CBS-CR、AICC-CRを各1組製作することである。メインの板材 は、昨年MAKIZOUクラフトに発注しており、今月半ば過ぎに届く予定になっている。

  今回は、少し工作に凝って、木口を全て角材で隠すことにした。MAKIZOUクラフトのシナアピトン合板の木口は、そんなに悪い訳ではないが、合板 の木口は好きになれない。このため、角の材料は全て別に用意して、少しでも綺麗に仕上げようという考えである。MAKIZOUクラフトでは、角材は準備 してくれないので、アガチス材を東急ハンズで買っておいた。そしてこれを自分で精密に加工することにした。

 自分で精密に加工するためには、普通の道具では無理なので(絶対に出来ない訳ではないが、時間がかかる)このために特別な鋸を準備した。

 左の写真は、プレシションマイターソーと いうもので、材料にいろいろな角度をつけて切断することができる手動鋸である。

 東急ハンズ新宿店では在庫していなかったが、取り寄せて配達してもらった。価格は3,980円(配送料別)である。この製品は、ウェブでは見付からず、 ホームセンターでも見たことがない。

 何故この鋸が欲しかったかというと、手動だからである。電動鋸であれば同等の機能のものが幾らでも入手できるが、電動鋸は、危険なだけでなく、場所をと り、騒音も大きいので、自分のように集合住宅に住んでいる人には適さない。
 このマイターソーを実際に使ってみたとこ ろ、そのままでは使用しにくいことが分った。

 材料を切断する場合には、左の写真のように、クランプで材料をしっかり押える必要がある。しかし、台座がダイキャスト製で、裏側が凹んでいるため、クラ ンプが上手に固定できない。クランプを固定するためには、台座の裏側を平面にする必要がある。

 この製品の設計者はどのように使うことを想定しているのか分らないが、このままでは使用に支障をきたすので、改造することにした。
 左の写真のように、凹んだ部分に、合板を 接着すると裏面が平らになり、クランプで上手に留められるようになった。

 また、注意しなければならないことは、角度が離散的にしか設定できないことで、90度、45度の他には、60度、54度、67.5度、75度の全部で6 つの角度である。

 角度を変更するためには、ひっくり返してナットを緩め、角度を決めてから締め付けなければならない。この点は、ちょっと面倒臭い。

 また、左上の写真のように簡単な長さの目盛が付いているものの正確ではなく、また、長いものには使えないので注意を要する。
 実際に作業してみると、面倒なのは段取り で、一工程終えるごとに、長さを測って印を付けなければならない。そして、目印と鋸刃の位置を確認し、マイターソーにクランプで固定して、再び物指を当て て確認してから、切断するという作業を繰り返すことになる。

 切断はあっという間だが、この段取り作業が面倒臭い。一回セットしたら次々に同じ寸法のものがカットできるという訳ではない。

 目印を見ながら切断してゆくという作業なので、精度を出すには馴れが必要である。

 マイターソーは、特に静かで粉塵も殆ど出ない優れものである。
 今日は休みだったので、ラジオを聴きなが ら、木口を隠す□15mmのアガチス材を3組分全部と、ダクトの一部を切り終えた。

 アガチス材の長さが900mmなので、材料に半端が出てしまう。勿体無いので、背面や側面の材料の一部は分割式にした。プロだったら絶対にやらないが、 アマチュアなので何でもありである。

 意外に上手に切断できたので、本体板材が、MAKIZOUクラフトから届くのが楽しみになった。

 今回は、木口のない、綺麗な箱が出来るか、修正だらけのキタナイ箱になってしまうか、面白い挑戦になった。



2010/01/07

ギリシャでの音響

 年末年始に、ギリシャ旅行に行ってきた。

 ギリシャは、グルメには縁の無い国だと思うが(失礼!)体重を増やしながら観光してきた。

 本当は、イタリアとかフランスのほうが好きなのだが、会社員である自分の日程に合う中で最長の旅がギリシャだったので、今回の選択となった。その中で、 音響に関連するところがいくつかあった。


 ミケーネにある、紀元前13世紀の王の墓は、精巧な石積構造で、入り口は左の写真のようになっている。

 発見されたときには既に墓荒しに遭った後で、中には何も無かったそうだ。

 幽霊のように見えるのは、人間をぼかしたものである。

 12月だというのに快晴で暖かかった。

 狭い廊下を通り中に入ると、左の写真のように中は広い空間になっている。

 この空間はドーム型であり、丁度中央で手を叩くと、ピチピチピチピチ...と残響が拡がって聞こえる。これは、ピサの斜塔の2つ隣にある洗礼堂や東照宮 の鳴き竜と同じで、神聖な感じがする。

 この時代には既に音響について知識があったのか、偶然そうなったのか分らないが、古代ギリシャ人は、音響に拘っていたのではないだろうか。

 エピダウロスというところには、ローマ時代に建てられた音楽堂オデオンがある。

 ここは、左の写真の通り、広大でオープンな空間であるが、この空間でも中央で奏でられる音は遠くの席まで届くようになっている。中央の平面部の中心に印 があり、そこで話す声は遠くの客席でも良く聞き取れるようになっている。

 現代でも音の悪いホールがあるのに、古代にこのような音楽堂があったのである。

 今年の初詣は、メテオラの修道院だった。

 メテオラの修道院は、左の写真のように岩の上に建てられており、中は、外部と隔絶された修行の場だったと云う。現在は、そのような修行に耐えられる人が 少いということで、観光用に公開されているため、中に入ることができた。

 ギリシャ正教では、ローマカトリック(及びその流れを汲むプロテスタント)とは違い、肉声以外の楽器を使用しない。このため、教会音楽は少しあっさりし た感じになる。

 ここでCDを2枚購入してきた。

 CDについては、もう少し聴いてからコメントしたい。


2010/01/05

CBS-CRとAICC-CR

遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
本年は、CBS-CRとAICC-CRを作ります。

  さて、CBS-CRとAICC-CRは、どちらも自分で考案した方式であり、2008年にPDF文書で発表したものである。しかし、計算が難しく、効果も 不明だし、ましてや音がどうかも分らないので、二の足を踏んでいた。しかし、突然思い立って設計を開始し、昨年板材を発注した。今月半ば過ぎには配達され る予定なので、製作を楽しみながらやってゆきたい。

 今回製作するのは、CBS-CRとAICC-CRの他にMCAP-CRの合計3機種 である。MCAP-CRだけ簡易計算して設計し、それをCBS-CRとAICC-CRとに変更したものである。AICC-CRとCBS-CRは、計算が出 来ていない。3機種とも外見は全く同じで、内部の空気室の接続の仕方が異るだけである。これらを下に記す。



  左側のMCAP-CR型は、基本となる形である。このMCAP-CR型の副空気室通しを接続したのが中央のAICC-CR型、2つの副空気室のみを主空気 室に接続し、もうひとつの空気室を2つの副空気室に繋いだものが一番右のCBS-CR型である。ミューズの方舟2008で発表したTR130b型のような 空気室配置にすると、MCAP-CRを元にAICC-CR、CBS-CRを作ることができる。要は、仕切りの壁に孔を開ければAICC-CRとなり、 AICC-CRの仕切りの孔を2つ減らすとCBS-CRとなる。従って条件の近い3種類のデザインが出来るので、音の比較も容易になる。上の図で、空気室 の大きさやダクトの面積、長さは、実態を反映したものではなく、繋がりを示すだけのものなので、実際は夫々異っている。

 詳細は、夫々のモデルの組 立図に示す。殆ど同じ形なので、図面は共通で、中に注意書きで示している。

 今まで分ってきたことは、多自由度バスレフのうちMCAP-CRは、比較的癖が少く失敗しにくい(失敗した場合には、スピーカーユニットを変更すると か、ダクトを変更すれば修正しやすい)ことである。そこに一捻りを加えた音が吉と出るか、凶と出るか。


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