オーディオ趣味は、あらゆる趣味の中でも方向性がバラバラで、各人各
様の薀蓄がある。それに、言い方は悪いがインチキ情報が多くあり、心理効果だけを狙ったような製品が少くない。お小遣い程度なら問題にもならないだろう
が、そういうものに数万円、数十万円、数百万円投資している人もいるかもしれない。 自分の場合、証明されたもの以外は、先ず疑ってみることにしている。また、理由不明で高額なものは絶対に買わない。高額でも理由が明確なもの、価値訴求 がしっかりと為されているものは買うことがある。 ここでは、そういう自分の考えていることを不定期に書いてみようと思う。ここの内容も、もっともらしく書いてはいるが、読む方は当然疑ってみるべき情報 ばかりである。考えずに信じ込むのは良くない。 |
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オーディオ放言その2 |
2013/01/13 |
オーディオ製品の
選定基準 |
2012/10/16 |
ブラインドテスト |
2012/04/19 |
ローコストアンプ |
2012/04/04 |
オカルトオーディオ−その2− |
2012/04/01 |
一気に頂上を目指す |
2012/03/30 |
オカルトオーディオ |
2011/11/04 |
電線病 |
2011/09/30 |
Feastrexのスピー
カーユニット |
2011/09/28 |
多自由度バスレフと多重共鳴管 |
2011/05/19 |
CBS
-CRも悪くない |
2011/05/16 |
超
低音 |
2011/03/21 |
情
報の選別 |
2011/01/08 | 低音再生 |
2010/10/13 | バスレフ共振と気柱共振 |
2010/05/16 | スィープ信号 |
2010/05/13 | 位相反転動作 |
2010/04/25 | インシュレータ |
2010/04/25 | フルレンジスピーカー |
2010/05/03 | フルレンジスピーカー2 |
2010/05/06 | フルレンジの魅力 |
左の写真は比較的入手しやすいと思われる普通のインシュレータで
ある。 上側は、全て東急ハンズで購入した木っ端で、薄い円柱のもの、サイコロ状のもの、半球のものといろいろある。寸法、材質ともにいろいろな種類がある。 下側は、左がオーディオ店で購入した専用のもの(数百円)、中央がソルボセイン(無反発ゴム)、右がFeastrexの試作品を無償で頂戴したもので、 ブビンガをピラミッド状に加工して漆を含浸したものである。 |
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左の写真は、オーディオ用のインシュレータではなく、石の加工品
店で入手できるものである。左から順に、アメジスト、正体不明の綺麗な石のブレンド、水晶、ブラックトルマリン、下のものは、Feastrexを訪問した
ときに無償で頂いた水晶である。 インシュレータに石を使う方法は、Feastrexで教えて頂いたもので、一般的にはあまり使われていないのではないかと思う。 価格は、どれも小さなカップ1杯で500円程度である。 |
スピーカユニットの振動板を簡略化して書くと、Fig.Aのように、
板の中心を押したり引いたりして、板を移動させることにより、振動板の前後で空気の粗密を作って音を出す。 しかし、空気やエッジの抵抗、振動板そのものの慣性の影響によって、Fig.B1、Fig.B2のように振動板が撓む。 動きを速めていく、すなわち、振動数を増やしてゆくと、Fig.C1、Fig.C2のように波の数が増えてゆく。のような振動モードを、高次の振動モー ドと呼んでいる。 フルレンジでは、高い周波数まで再生させるため、振動板が高次の振動モードになる。 このように振動板が変形して波打っているのでは、いかにも音に悪い影響がありそうだというので、"フルレンジは良くない"と決め付ける人が出てくるのだ ろう。 |
Fig.4 バスレフ共振と気柱共振
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バスレフ共振と気柱共振は正しく理解されていないと思う。なぜなら、これらの違いについての適切な解説を見たことがないからである。また、バスレフダクト
を随分長くしている作例も良く見かけるので、両者の物理的な違いが一般的に広く認識されているとは云い難いと感じている。 そこで、気柱共振とバスレフ共振との違いを図に描いてみた。Fig.4の上側が気柱共振、下側がバスレフ共振を示したものである。 気柱共振の図にも空気室を付けているが、気柱共振には空気室による空気ばねは必須ではない。あってもなくても気柱共振は発生する。バスレフ共振は、多自由 度バスレフ型の鍵になる物理現象なので、今更ではあるが、もう一度書くと、バスレフ共振は、『空気室ばねとダクト内空気塊の組合せによる固有振動』であ る。空気塊というのは、注目している空気の塊の中の粗密は『無視する』ということである。これが、下側の図に描いたところである。即ち、空気の塊全体が出 たり入ったりするのがバスレフ共振である。 これに対して、上側の気柱共振では、ダクトの中の空気の粗密に着目する。勿論、Fig.4のように空気室のば ねがある状態では、部分的に粗密のある状態で全体が出たり入ったりする振動モードも同時に存在する。同様に、バスレフ共振時にも気柱共振が存在する。しか し、バスレフ共振においては、気柱共振のレベルが低いため、あまり問題にされない。 問題は、どちらが支配的か、または、どちらに着目するかということである。厳密な話しをするのであれば、両方存在するので、両方同時に扱わなければならな いが、実用レベルでは、支配的なほうを扱えば十分である。但し、気になるかどうかは個人差があるので、気になる人は、両方考慮すべきであることは間違いな い。 |
多
自由度バスレフ |
多
重共鳴管 |
備
考 |
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サ
イズ |
低音域を伸ばす方式としては、小型の部
類。 大型化するとメリットが小さくなる。 |
折り返しを増やせば小型化できる。折り返
しは2回までが無難。 塩ビ管などを使用すれば軽量化できるが代わりに設置場所が大きくなる。 |
あくまでも設計によるので何とも云えな
い。 |
中
高音 |
設計やスピーカーユニットによるが、多重
共鳴管よりは窮屈な感じになりやすい。 |
設計によるが、概して伸び伸びとした開放
感のある音になる。 |
どちらも他の方式と比較すれば良いほうだ
と思う。 |
中
低音 |
設計やスピーカーユニットによるが、押し
出しが強く、パンチのある音になる。 |
優しくて伸び伸びした低音だが、押し出し
は、多自由度バスレフより弱めである。 |
中低域の押出感は、よく出来たマルチウェ
イやバックロードホーンには敵わないと思う。 但し、どちらも低域の音程は良く分離して聞かせる能力があり、大型のシングルバスレフより良い場合がある。 |
超
低音 |
30Hz程度までは十分な音圧で出せる
が、その下は、未経験(今後の検討課題)。 |
30Hz以下も理論的に可能だが、中低域
が痩せないよう設計できるかは、未経験(今後の検討課題)。 |
どちらも爆発的な低音を出すためには、大
口径ユニットが必要になる。 |
設計 |
標準MCAP-CR型でさえ最適設計法が見付かっておらず難しいと云え
ば難しいが、多少間違っても失敗が少い。 |
共鳴周波数の計算は難しくない。共鳴管や管入口の絞り部の断面積の最適
値は分かっていない。 |
バックロードホーンよりは易しいかもしれない。 |