多自由度バスレフ型システムの研究開発 日記アーカイブ |
||||||||||||
|
2010/11/1-12/25 | 最新 | ||
2010/01/01-06/30 | 2009/8/16-12/23 | 2009/3/29-8/15 | 2009/3/23以前 |
昨日は、ウィーン国立歌劇場のコンサートを放送していた。居間のシステムは先週模様替えしたので、自作スピーカーを鳴らせるようになっている。プリアンプ
は、Crescent(伊藤喜多男さんのブランド)のRA 1501-A、パワーアンプにAccuphaseのP-350という組み合わせで聴いていた。 先日の集まれ!塩ビ管スピーカーのオフ会では、AICC-CRであるCON GIOIAの音場感が良かったという感想を頂いたので、その理由を考えながらAICC-CRであるAIT080a聴いていた。 確かに音場はスピーカーの後方にも拡がるように聞こえる。これは、副空気室を繋ぐ短いダクトの効果ではないだろうか。短いダクトの部分の音は、繋がれた 各チャンバー内部では夫々逆相になっている。この逆相成分が音場を創製しているのだろうか。 |
最近は、なるべく自作ス
ピーカーの木口を隠すようにしている。10/27の図で、四隅に描いている角材は、あとで適当に面をとって仕上げるつもりのものであった。 今 日は、この材料を仕入れに東急ハンズ新宿店に行った。以前に、MCAP-CR/CBS-CR/AICC-CRの3兄弟を製作したときには、15mm厚の板 に□15mmのアガチス材を使ったのだが、角材の寸法のほうが小さかったため、檜の薄板を貼って誤魔化した経験がある。ノギスを持参して店頭の材料の寸法 をチェックすると、やはりどれも公称値よりも小さい。特に三角材の誤差は酷く、公称12mmのものが10mmちょっとしかなかったので、間違いかと思って しまった。この表示は不親切ではないのだろうか。公称12mmの隣には公称10mmの三角材が並んでいたのである。 |
図をクリックすると大きくなります。
|
軽井沢朗読館でのホールの響きに魅せられ、また、そこで聴いたQNDRの効果に驚いたので、再びQNDRに挑戦することにした。QNDRの第2作の前に正
面のユニットを同じ平面に配置するSNDR(Simplified
NDR)に挑戦しようと思っていたのだが、QNDRが軽井沢朗読館で思い掛けないほどのパフォーマンスを聞かせたので、予定を変更した。 自作は、2インチユニットを使用して小型化したものである。ホールのような空間で宙吊りに近い形で使うことを前提に考えている。ユニットは、TB社のW2 -802SEと、FosterのFF57BKを使う。夫々1組の合計2組分の板材を発注した。12mm厚のシナラワン合板を使い軽量化を狙っている。 果たして十分な効果を上げることができるか、楽しみにしている。 試聴には朗読館をお借りしてし ようと思っているので、聴いてみたい方はご連絡ください。冬になるときついかかな... |
今週Parc
Audioの限定品DCU-F122Wが届いた。 DCU -F122Wは、最近kenboさんが、バックロードホーンを作って大成功したというユニットである。フェーズプラグ付ウッドコーンで、7,680円/本 (麻布オーディオでの販売価格)と、少し前に限定発売されたFostexのFE103En-Sの約半額となっている。 正面から見ると写真の通り高級感がある。4インチの製品としては、能率が程々なので、低音を出しやすいようだ。kenboさんによると、中高音の癖はあ るが低音が凄いという。 背面は、直径90mmのフェライトマグネットに、80mmのマグネットが重ねてある。コストはかなり掛かっているのではないかと思う。 マグネット2枚重ねの効果により、重量は1,220gfもあり奥行きも75mmもある。フランジの外径、取付穴のピッチ径は、Fostexに合わせてあ るので、スーパースワン等にも装着可能である。このフランジには、マグネット径は90mmが限界である。 本体には接着面付のガスケットが付属している。接着面付というのは親切だと思う。 また、フランジの取付孔が4つというのも好みに合っている。恐らく、爪付ナットを使ってしっかり付けることを想定しているのだろう。 |
|
Fostexの
FE103En-Sと並べてみた。DCU-F122Wのほうが、振動系は高級に見える。FE103En-Sは、フランジに厚みがありゴージャスである。こ
れと比較するとDCU-F122Wのフランジは薄手で少し頼りなく見える。 背面から見ると、DCU-F122Wは、マグネットが剥き出しなのに対し、FE103En-Sは、美しいメッキのプレートがあり、更に、平面に型番を印 刷したステッカーが貼ってあるので高級感がある。 比較すると、どちらがいいのか、これだけでは分らない。しかし、価格は精々同程度がいいところで、むしろDCU-122Wのほうが高価に見える。多分コ ストはDCU-F122Wのほうがかかっていると思われる。この価格差は一体何なんだろうか。 気になるのは音のほうなのだが、どうやって比較しようか悩むところである。自分の勘では、DCU-122Wは、多自由度バスレフ型にも適合すると思う。 しかし、FE103En-Sは、バックロードホーンでなければ無理ではないかと思う。 どのような箱を作るか悩むところだ。来年の課題とししたい。来年のミューズの方舟さんのコンテストの課題は、10cmフルレンジになると予想しておこ う。何故なら、聞き比べてみたいからである。 スピーカー再生技術研究会でも、何か共通の課題があったら面白いだろうか?しかし、皆夫々趣向が違うので、型に嵌めないほうが良さそうな気がする。 |
気になっていた、リビングのAVシステムの模様替えを実施した。リビングのシステムには、伊藤喜多男さん製作のプリアンプ、EMTのプレーヤー、
SiemensのEurophon、Europhon用のトランスがあるだけではなく、8mm/VHSコンパチビデオ、旧式のDVDビデオが2台、ケー
ブルチューナー、受信部とパネルが分かれた旧式薄型(受信部に奥行きがあるので薄型とは云い難いがプラズマディスプレイ)テレビが繋いであり、接続はグ
チャグチャである。今回は、全く使用していない8mm/VHSビデオと旧式DVDビデオの古いほうを取り外し、アキュフェーズのP-350を組み込んだ。 模様替え以前は左の写真のような有様であったが、多少シンプルになった。但し、大差ないと云えば大差ない。 模様替えの結果、今に自作のスピーカーを持ち込んで、P-350で鳴らせるようになった。 しかし疲れた... |
軽井沢朗読館は、
NHKのアナウンサーをしておられた青木裕子さんが、朗読を普及するために、軽井沢に建築された小ホールである。写真のように、高級別荘という外観である
が、この中に青木さんの夢が詰まっている。 朗読と云っても、普段字を読み慣れている人にはピンと来ないが、音楽で云えば『演奏』に相当する。交響曲のスコアを読んで感動出来る人は少いが、演奏を聴 いて感動する人は多いと思う。この比喩は青木さんの意思にぴたりと一致する訳ではなく、ご本人はもっと至高なお気持ちを持っておられので、上記の比喩は私 自身の個人的な意見であることを付記しておく。 今回は、研究会の会員でもある せんむさんにお誘い頂いて、軽井沢朗読館を訪問することが出来ました。 軽井沢朗読館の詳細は、公式ウェブを ご参照ください。 |
|
今回は、せんむさんと
二人の貸切状態で、ホールの音を堪能することが出来た。 左の写真は、ホールの二階から撮影した室内の様子である。ホールの天井高さは低いところ(写真の中央奥)で3m位、高いところ(撮影している位置)で5m 位である。建築学会副会長である有名な先生が設計されたという。この写真を撮影した二階に座席はないがホールのベランダのような特等席であり、最も音が良 い。収容人員は80名程度とのことである。形状は、横浜のラポール座と似ている。 このホールの音は、『素晴らしい!』の一言である。こんな美しい響きは聴いたことがない。ご覧のシステムで聴いていても、音が恐ろしくリアルで、かつ、 響きが美しい。持参したオーディオシステムが良いというよりホールが絶対的に良い。 |
|
ホールの奥には広いガ
ラス窓があり、外の景色を堪能することが出来る。また、このガラス窓の前のカーテンを開閉することで残響時間を調整することが出来る。 窓の外側には広い庭が見える。壁の奥には、資材置き場があり、ジャズプレーヤーの坂田明さんが残していかれたオーディオ機器や、グランドピアノ、チェン バロ等が置かれている。 写真では天井の傾斜が良く分る。特に音響に配慮したことはないというのだが、このホールで鳴らすと、QNDRの音が、高級なオーディオ装置であるかのよ うに聴こえる。 |
|
同じ位置からホールの
反対側を写したのが左の写真である。右側のカーテンの奥には朗読館出入り口や化粧室等がある。また、正面は、玄関ホールのつながっている。 右側上には、別な二階ベランダが見える。こちらのベランダは、音を聴くための部分ではなく、二階にある朗読の録音室等への通路になっている。 下の写真は、二階通路から見た全体の様子である。右奥が、朗読のステージとして設計された部分である。コンサートを行うときには、この通路の真下付近で 演奏すると音響的にはベストになるということで、坂田明さんの演奏会では、左写真の下側付近で演奏されたという。 このホールで演奏を聴くと、演奏者を独り占めした気分になると思う。このように、演奏者と一体感が得られるホールで聴いてみたい。 このような話をしていたら、音 楽会とオーディオイベントを兼ねたイベントを企画しようということで盛り上がった。会の目標は、家族も参加出来ることである。自分の趣味に没頭して家族を 省みないと云われないよう、演奏会とセットにしたいと考えている。 館長の青木さんにもご協力頂けるとのことなので、来年の夏までの間に第1回が企画できそうだ。 |
|
左の写真は、ホールの
朗読ステージに向かって右の側の壁である。 後ろ側の壁のカーテンも残響時間調整に用いる。 ホールの紹介は尽きないが、少 しだけ触れたスピーカーマトリックスの実験の様子をレポートする。 上から2番目の、せんむさんが聞き入っている写真にあるように、この実験では、ステージ前にQNDRシステムを1組置き、ホールの中央後方にCON GIOIAをセットしてマトリックス接続した。 L-R/R-Lは、直列接続したのだが、FE83Enの能率が多少高かったようで、CON GIOIAが担当する左右の差成分が耳に付くレベルであった。そのような理由もあり、中央で聴くと後ろ側に音像が引っ張られ、オーケストラに入り込んだよ うな状態になる。 そこで、下側の写真を撮影した位置(スピーカーシステムを結んだ四角形のやや外側)で聴くと、オーケストラの音像が驚く程リアルで、ホールの左側二階席の 最前列で聴くような感じになった。この位置で立って聴くとティンパニーのトレモロはステージ左奥の下側を這う位置に定位し、オーケストラが左下側に立体的 に定位する。こんな音場は聞いたことがない。この状態のまま、CDを何枚も聴いてしまった。 オーナー館長の青木裕子さんにこの状態で音楽をお聞き頂くとビックリ。このような音場をお聞きになったことがないのは当然としても、小型フルレンジの音 をお聞きになったことがないので、開口一番『良い音!』である。 |
|
メーカー製のスピーカーシステムの音しか聴いたことがない人がこのような音を聴いたら恐らく青木さんと同じような反応をすると思う。メーカー製オーディオ
装置の音は決して悪くないのだが、小型フルレンジの音とは質が違う。長岡先生が、調理法としての刺身とムニエルとどちらが上か比較しても意味が無いという
喩えを使っておられたが同じようなことと思う。ムニエルしか食べたことがない人が刺身を食べればその味に驚くだろうし、逆に、刺身しか食べたことのない人
がムニエルを食べたら同様に驚くだろう。小型フルレンジの音を聴いて驚くのは当然のことなのである。しかも、今回は、QNDRという特殊な音場型システム
なので、インパクトは更に強かったはずである。 QNDRとCON GIOIAを玄関ホールでも聴くと、こちらも素晴らしい響きである。容積の小さな玄関ホールには、小型のCON GIOIAのほうが適合した。結局、CON GIOIAは、12月のミューズの方舟さんのイベントで鳴らした後に寄贈することになった。玄関ホールに据え置きにして鳴らして頂けるのは作者の自分も光 栄である。また、今回は、青木さんとせんむさんのお陰で、ちゃんとしたホールでのQNDRの良さを再認識したので、次は、このホールにさりげなく置くこと ができる、更に小型のQNDRシステムを作って聴いてみたい。音が良ければそもまま寄贈したいと思う。 |
|
今回は、軽井沢ユニオ
ンチャーチで行われた、シェークスピアの『マクベス』の演劇も聴くことが出来た。この公演は、光文社古典新約文庫の企画で、上智大学の安西教授の新約を公
演するものである。しかも、同大学の小林教授の解説を聞くことが出来た。 軽井沢ユニオンチャーチは、左の写真のような趣のある建物である。 公演は、左下の写真にあるステージで行われた。 譜面台に台本を置き、役者さんが読み上げる。伝統に従って、同じ役者が何役かを担当する。音楽はなく、効果音も最小限にする。演技は殆ど表情だけであ る。 台本を読むだけでありながら、通常にはない緊迫感、高揚感がある。また、最小限の効果音による効果の大きさは、聴かなければ分らない。 マクベスは、ヴェルディが歌劇を作曲しておりこれも有名である。自分も、リッカルド・ムーティ指揮によるミラノ・スカラ座の日本公演を聴いたことがあ る。演奏は素晴らしかったが、チケットは思い出したくないほど高かった。 今回は、無料の公演で、音楽も無いのに、この感覚は一体何なのか。原作を味わうという意味では、オペラを超えているのではないだろうか。 運の良いことに、10月23日(土)にも上智大学で公演があるので、是非ともお聞きください。事前申込が必要です。詳細は下記をご参照ください。 http://www.kotensinyaku.jp/blog/2010/09/10.html |
集まれ!塩ビ管スピー
カー会長のたてちゅうさんの作品。赤茶色のほうは、Fostexのコンテスト一次審査通過作品で、その両側にある背が高い塩ビ色の作品と2機種を持参され
た。 自分が気に入ったのは外側のほうで、音の輪郭が鮮明、低域が力強くパワフルに聴かせるタイプである。流石に元祖の音だけある。デザインもブリュッセルに ある小便小僧を連想させてカワイイ。しかも大事なところは交換して音の違いを楽しめるようになっている。 ダブルバスレフのようだが、頸の細い部分がダクトとしての動作をしているかどうかは良く分らない。全体がバスレフや共鳴管がミックスされた微妙な動作を していると思う。ダクトの中にカーペットのような吸音シートを貼ってあるなど、音を追い込んだ後が伺える。 |
|
KO
球さんは、TB製3"フルレンジを使用したシングルバスレフとFE87E使用のダブルバスレフの2作品をプレゼンテーションされた。 最初は、TBユニットを使用したシングルバスレフでである。シングルバスレフでも低音は十分出ておりバランスが良い。ローエンドは60〜70Hz程度と 思われるが、これだけレンジが広いと、これで十分ではないかと思いたくなる。音楽を楽しめる作品と思う。 次はFE87Eを使用したダブルバスレフである。両者の寸法は殆ど同じで、ダブルバスレフだからと云って、特別に大きい訳ではない。ローエンドを特別に 引っ張っているようでは無さそうで、低域のディップも感じられなかった。ちょっと聴くとダブルバスレフとは思えない、癖が無くとても良い音である。 この2つのシステムを聴いて、バスレフのサイズは小さい目のほうがいいのではないかと思うようになった。先日、音楽の友社で、評論家のセンセイ方が作った バスレフを多く聴いた。このときは、大き目のサイズのものも数点あり、バスレフの癖を嫌というほど聞かされた。小さなサイズのバスレフは、低域の補償効果 も程々だが、その分癖も少い。ベースのブンブンした感じが無く、音楽が生きてくる。これらの作品は、丁度良い大きさで、癖が最小限に抑えられているところ が素晴らしい。 低音については量より質が重要ということは、プロの作品を聴いても良く分らないが、こういうイベントでは思い知らされるのである。 |
|
M-TKさんの
Twin-Hornは、アカデミー湯島の下見で音を聴いて知っている作品である。剛性の高い塩ビ管を使用した輪郭鮮明な音で、低域もMCAP-CRの特長
である癖の無さ、ローエンドの伸びが味わえる。 Stereo誌の書類審査をパスしなかった理由が未だに分らない。自分が専門家や評論家の悪口ばかり書いているので、MCAP-CRが嫌われた、という ことはないだろうに(多分彼らは自分やMCAP-CRなんて知らないと思う)。 Twin-Columnは、床に直置きが失敗で、高音域が延びてこなかった。テーブルの上にでも置ければ真価を発揮できたのに、と残念である。 |
|
コニさんのH2K-Jは、正真正銘のマルチシステムである。音出しの時に、好みのうるさいFさんは、レベル合せがまだだ、と仰っていたが、自分は、鮮明な
音にビックリしていた。Audio Basic付録CDの波の音などは、すぐ前で弾けていた。実際に波打ち際に行って聴くより、リアルな音と思った。 上から中音用、高音用、低音用のユニットが並んでおり通常と違うが、この並び順が絶妙のバランスとキレを演出している。ネットワークの音がせず、振動板 の無理な動きによるドップラー効果の歪もない素晴らしい音である。 やっぱりマルチの良さは聴かなければ分らない。 |
|
こたちゃんさんは、
Yoshii9タイプの上を向いたシステムである。塩ビ管剥き出しでは奥様に怒られたので、ルーズソックスを穿かせて化粧したのだと云う。しかし、本当の
ところは、塩ビ管表面の音軽減させたかったのではないかと思う。 携帯電話に収録された圧縮されたソフトを使ったのだが、妙に音がいい。というか、良すぎる。何故? ユニットが上を向いた効果により、多少正面から離れても不自然にならないのは、QNDR型に通じるところがある。 |
|
古舘さんは、研究会の
オフ会でも鳴らされたMCAP-CRシステム、Stereo誌グランプリのTQWTシステム、JSP型システムの3機種をプレゼンされた。 MCAP -CRシステムは、アカデミー湯島で聴いたときよりもソフトでマイルドな音。ずっと良くなった、と思ったら何も変えていないと仰る。カーペットの床、高い 天井、机のない空間といった、高音を吸収する要素がぴたりと合ったようである。やはり部屋は重要ということだ。 JSP方式は、TBのW3-927SEを使ったシステムである。ユニットの音は知っているので箱とのマッチングを聞いていたが、ちょっと高域が強く感じ た。JSP方式は、バスレフの癖を軽減する有効な方式であることが確認できた。 |
|
なーおさんのシステム
は、塩ビ管部分がダブルバスレフ、下の合板部分がスパイラルホーンという構造である。 高域から低域まで特に滑らかな音。バスレフ型の共振を感じさせない音には感心させられた。昨年のミューズの方舟さんのイベントでは、スパイラルダクトが 癖を無くす効果を確認していた。スパイラルホーンもやはり癖を無くす効果があるようだ。 上手に纏まったいわゆる『良い音』は、さすがと感じた。 |
|
kenboさんのメイ
ンシステムは、ご覧の通りの高級システム。オーディオの小賢しい知識のない金持ちに1千万円の高級スピーカーと並べて音を聴いてもらったら、同じ値段でも
こちらを買ってゆくだろう。外見もGreat!とにかくどこをとっても見事なシステムである。 kenboさんご自身は、不思議な人徳のある方で、このスピーカーシステムも人柄を反映した音がする。他のシステムが霞むので、比較して聴いてはいけな いが、オーソドックスな最上システムを知るためには、聴いておくべきシステムである。 ご自宅からの搬入と搬出も大変だったということで、聴かせてくださったkenboさんに感謝! |
自分は、何を隠そう、
『集まれ!塩ビ管スピーカー』の新米会員である。スピーカー再生技術研究会の発足のときにご協力を頂いてそのまま入会してしまったのである。自分は何を出
来るかと云っても大した貢献は出来ないのであるが、会の皆様は暖かかく迎えて下さった。 今回は、過去6回の中で最も盛況だったとのことだ。自分もその中の1名分の貢献が出来て少しは恩返しが出来たかな?しかし、自分の作品は塩ビ管ではなく、 右の写真の中の、白っぽい四角い"CON GIOIA"である。ミューズの方舟さんのイベントの前に鳴らさせて頂いた。 今回は、塩ビ管の作品は11種類、その他は塩ビ管ではない。しかし、塩ビ管のメリットを感じるためには塩ビ管以外の作品を並べて比較するのが適当と思 う。 自分の場合、材料入手難という問題があるが、塩ビ管は、スピーカーエンクロージャーとして理想的な素材である。先ず第一に、円柱形というのは、極めて剛性 が高い。剛性が高いということは、余分な音が出ないということである。これは極めて重要なことなのだが、あまリ意識されてはいないようである。同じような 効果を木材の板で出そうとすると、重くて実用的ではなくなってしまう。第2に、塩ビ管には継ぎ手の種類が多く、いろいろな形に加工しやすいというメリット がある。このメリットにより、多自由度バスレフ型のアプリケーションも得意なのである。この組合せは、今後普及してゆくと思う。 塩ビ管システムのデメリットは、第1に、入手が必ずしも容易ではないことだろう。現に都心に住んでいると塩ビ管材料を置いてある店舗が見付からない。デ メリットの第2は、太い管を入手しにくいこと、第3は、業務用のようには安価に入手出来ないことと思う。 |
午前中には、真空管
オーディオフェアを訪れた。一応真空管がテーマだが、何でもある。商業イベントで入場料500円というのは、いかにもオーディオ産業の衰退を感じさせる。 ミクセルのブースを訪れたら、懐かしいW5-1611SAが置いてあった。フェア特別価格で7,000円というのは、自分の予測と同額である。2008年 のミューズの方舟さんのコンテストに出品したときには、国内で販売していなかったので、ドイツから高い経費を投じて輸入したのだった。ようやくこの製品の 価値が認められたということだろうか。このユニットは、自分の特選である。但しフレームが弱いので、取付時には孔を増やしたほうが良い。 |
|
今回の目的は、Feastrexを聴くことと、多分、同社の寺本さんが来ていると予想していたので、話をしてみたかったことである。寺本さんはやはり来て
おられて話をすることが出来た。自分もユーザーだが、偶には会わないと忘れられてしまう。何本も買うような金額ではないし。 Tannoy のRed Monitorの脇にFeastrex NF5(アルニコ磁石型)を付けた田中式バックロードホーンがある。脚は4点調整式。自分が、3点固定+1点調整にしているのとは、ポリシーが違う。マッ クトンのブースなので、アンプにはマックトンのOTLを使っている。 暫くはTannoyを鳴らしていた。『タンノイはこんな音だったかな?』という感じだった。 |
|
この後、Feastrexに代えてもらった。セッティングが甘かったので、低域のキレがいまひとつ。背面に回って開口部の音を聴くとしっかり出ているの
で、システムが悪いのではないことは確認出来た。自分が持っている励磁型と比べるとアルニコ型は、高域が浸透してくる感じはいまひとつ。しかし、隣の
Red
Monitorと比べると比較にならないパフォーマンスである。ゲルギエフの『春の祭典』があったので掛けてもらうと瞬発力が足りない。アンプがやや弱い
ようだ。やはり電源効率の低いアンプでは、瞬発力の必要なソースは厳しいのだろうか。因みに帰宅して、アキュフェーズのP-350で鳴らすと、瞬発力が十
分出ていた。マックトンのOTLと比べると価格は一桁小さいと思うが、それでもアキュフェーズは一級の実力を持っているということだろう。 昨日がセッティングの予定だったが、Feastrexは今日から加わったということで、十分なセッティングは出来なかったそうだ。ちょっと残念だが軒を 借りるのであれば止むを得ない。 今日は、Feastrexから試作品の接点復活剤を頂戴してしまった。こういうアクセサリは、評価に気合が必要なので、暫くは試せそうにない。 |
|
真空管オーディオフェ
アを見終えて御茶ノ水駅に向かうと、ジャズの生演奏が聞こえてきた。『ラッキ〜』と思い人だかりの中を覗いてみると、何と、子供たちの演奏だった。上手過
ぎるじゃないか。最初聞いたときにはプロの演奏だと思っていた。暫く聴いていると、流石にフニャフニャとなったり、乱れたりするところもあったが、それで
も立派な演奏だった。 生の演奏を聴いていて思ったのは、この音はオーディオでは絶対に無理ということである。屋外の広い空間で、離れていても歪 ない音で耳に突き刺さってくる。先程は、Feastrexを遥かに上回る高級品を聴いたのだが、そういう高級品の音でさえ絶対に無理で、自分のシステムで も当然無理である。 |
|
次は、有楽町のハイエ
ンドショーである。むらからまちから館のソフトクリームを食してから会場に向かった。 超高級品の音は、こういう機会に何度も聴いているのだが、自分にはどうもそれらの機器の価値が分らないことが多い。そんな中、六本木工学研究所の方々を見 つけた。YSC Audioというブランドでスピーカーシステムを販売するということだった。販売は、通常のオーディオショップを通じるらしい。左の写真は仕上の状態を示 しているところである。こんな仕上が出来たら自分のシステムの価値も上がると思う。価格はリーゾナブルでとても良心的である。是非とも頑張ってビジネスを 成功させて頂きたい。 因みにユニット単体の販売も継続するそうである。 |
|
超高級品をずっと聴い
てきて少しうんざりしたところで、カイザーオーディオの音を聴き、ほっとした。決して派手ではないが、音楽の素の音を聴かせていた。やっとまともな高級品
に出会えたと感じさせる音だ。 写真では紹介していない高級品群には、自分の嫌いなブンブンした低音がある。ベースは、吐き気がする位強調された不自然な音である。あんな音を聴いて、音 程を譜面に写しとれるのだろうか...評論家の自作の記事のところに書いたが、シングルバスレフやり過ぎの音である。少し工夫すれば、自然な低音になるは ずなのだが。 自分が不自然と感じる低音を是とする人のほうが遥かに多いということだろうか。 |
9月8日の日記でミス
テリーツアーを買ったことを書いた。東武伊勢崎線の全線開通100周年記念イベントということで、鉄道好きには興味があったかもしれないツアーである。自
分には、そのイベントが良いのか悪いのか分らなかったがとりあえず買ってみたものである。 実施はオフ会2日後の9月25日だった。体力的には何とかなるだろうとたかをくくっていたのだが、寄る年波には勝てなかった。 乗ったら寝て休もうなどと気軽に考えていたのだが、座席は古いタイプでリクライニングもなく、足元も狭い。しかも寒かった。風邪をひきそうなので、寝な いで頑張っていたところ、最初の到着地である伊勢崎駅に着いた。そういえば伊勢崎線開通100年記念イベントだった。 自分のように鉄道マニアでない人から見ると、単なる古い車両である。マニアたちが、一眼レフを持って熱心に撮影していた。自分も、5年前に購入した SAMSUNGのコンパクトカメラで写してみた。 社内では、記念品としてバッチ、物指、葉書を配布した。このバッチは価値があるものなのだろうか?今ひとつ良く分らない。何故なら、マニアにとっては、他 人から見れば同じようなものでも全く別物なのである。例えば、妻の友人の夫は、薔薇に凝っているのだが、欲しくない薔薇を貰うと困ると云っていた。オー ディオマニアにシステムコンポのスピーカーをあげたって喜ばれないのと同様である。可愛らしいバッチではある。 このイベントは東武鉄道にとって重要な企画らしく、カメラウーマンが同乗していた。この方の撮影した写真はそろそろ公開されているのだろうか? 自分は、こういうところを撮影して変な趣味である。別にノゾキではないので、まあいいか。 昼食は、復刻のチキン弁当である。チキン弁当と云えば、30〜40年位昔は豪華な食事だと思っていた。最初は200円から始まって、300円、600円 と値上げしていった。800円までは覚えているが、その後は買ったことがない。 昔の記憶を手繰って思い出そうとしてもイメージしか出てこないが、JR東京駅で売っていたものは、下の段がチキンライスだったような気がする。上段の唐揚 はほぼ記憶通りだが、しけたポテトチップスが入っていた記憶はない。東武伊勢崎線では買ったことがないので、完全な比較ではない。 配布されたときには既に冷たくなっていた。味は、昔のほうが美味しかった気がする。単に、思い出が実際よりも美しいだけなのだろうか。昔に比べれば随分 と食生活が豪華になってしまったので、このような昔のものを食べるのは初心を思い出していいと思う。 成功して金持ちになった人が、貧乏時代を語るときは活き活きしている。この復刻チキン弁当を食べて喜びが込み上げてこないのは、当時と大して変らない生 活をしているということだろうか。 昔を懐かしむために、冷凍みかんと、プラスチックパックの茶が配布された。冷凍みかんは、かつては、小さなのが何個も入っていたが、今回は一人1個であ る。お茶は、昔は、初めからお湯が入っていて、容器のプラスチックの味がしたものだが、今回は、この容器とティーバッグのセットに、ボルビックのミネラル ウォーターのボトルが付き、自分で水出しにして飲むようになっている。 昔を懐かしむとは云っても時代は変ったものだと思う。昔は水を 買って飲む人なんて見たことが無かった。水は、水道から直に飲むものだったし、特急列車には冷水器が付いていて嬉しかった。今は、車内に飲用の水が出る蛇 口はない。多分昔と同じなのだろうが、車内の水道の水を飲んでもお腹を壊したことは一度も無かった。 途中駅に止まらない列車なのに、豪 華な特急に何度も追い越されてゆっくりと走り続け、日光に到着した。日光でも、撮影タイムがあった。車名の表示板が『東武伊勢崎線 全通100周年』から 『ビジネスライナー 急行りょうもう』に架け替えられていた。この表示板は、抽選で販売していたが、抽選には参加しなかった。これもゲットすると価値があ るんだろうな。 日光に着いた頃にはすっかり転記が良くなっていた。 1時間半位の自由時間があったので、駅の近くを散策して歩いた。日光は空気が美味い。東京に住んでいると、東京の空気に慣れてしまうが、こういうところ に来ると空気の美味さを実感する。東京だけでなく、近県でもこのように美味しい空気を味わうことは出来ない。 素晴らしい青空に恵まれて、散策すると、駅の周りも随分きれいなことに気付いた。流石にミシュランの星が3つも付く観光地だけのことはあると思った。 こういうところに何も考えないで2週間位滞在してみたい。仕事のこととか考えるとどうしてもうんざり感が消えない。 鉄道マニアでない夫婦が鉄道マニアと共に旅するツアーだったが、たまにはこういうのもいいかな。 |
3月にチケットを買っ
て以降、パリのオペラ座からダイレクトメールが来るようになった。 まるでVIP宛のような案内状(以前のものにVIPカードみたいなものが付いていた)と、公演予定表やパンフレットが付いている。そうは云ってもパリな んてそう行けるものじゃない。オーディオも良いのだが、生はもっと好きだ。欲求不満がつのってしまう。 尤もフランス語で書いてあるので何だか読めない。単語がイタリア語に似ているので、何とか意味を想像して分ったような気になる。請求書ではなさそうなこ とくらいは何とか分った。 やっぱりパリはいいなあ。 |
昨日は、Stereo誌のコンテストの結
果発表に参加した。自分は応募していないが、お付き合いのある方々が参加されているので、結果にはとても興味があった。 グランプリは、集まれ!塩ビ管スピーカーの古舘さんの作品であった。TQWTでありながら低音を上手に処理して癖が無いように作られている。 音にはうるさい三島(沼津?)のKさんが、しきりに感心しておられた。共鳴管方式でも、癖のない再生音を得られることを証明した作品である。何故癖がない か、自分には良く分からないが、スピーカーユニットを縦に2つ並べたのも癖を無くす手法ではないかと想像する。振動板背面からの音が分散されると、位相の 微妙に違う音が交じり合い結果として癖が緩和されるのかもしれない。 ブログハイエンドスピーカーのkenboさんは特別賞である。他に 誰も出来ない凝った造りであることから、通常の賞の対象にはならなかったのかもしれない。kenboさんらしい音の纏め方かと思ったが、ご本人のおっしゃ るように調整がまだ不十分だったようにも聞こえた。しかし、少し離れたところで別なシステムを鳴らしていたので評価不能である。 驚いたのは、講評の石田さんが、kenboさんのことをご存じなかったことである。専門家ならアマチュアの有名人くらい知っておくべきだろう。お金にな るかどうかも重要だが、1日に1000アクセスもあるページを知らないようでは困る。 因みに上記のお二方はスピーカー再生技術研究会の会員でもある。見事、素晴らしい作品でした。 |
|
こちらはプロの先生方の作品である。
Stereo誌の企画で、サブロク板1枚で作るという作品群であった。Fostexの10cmウーファーを使った2ウェイが多かった。見たところ全てシン
グルバスレフだったが、低音の音圧は十分に出ていた。 全ての作品を聞いて、シングルバスレフの問題点が明らかになった。どれもローエンドでは、ブーンという癖を伴い、ジャズベースはキレが悪く感じた。箱が 大きいほど癖が大きく感じられた。 23日の研究会では、ジャズベースのキレが悪い作品はひとつもなかったと思う。kenboさんの作品はシングルバスレフではあったが、上記のようなキレ の悪さはなかった。既に専門家の領域を超えているのだと思う。 |
さて準備が始まると、
大勢のボランティアスタッフにお越し頂いた。左の写真の通り、持ち寄った作品の山になった。 自分には初めての催しで、全然気が効かなかったが、皆さんのサポートでどんどん盛り上がっていった。参加者は、全部で26名とこの会場には丁度いいくらい だった。数が少いが、皆の熱気が凄いのには圧倒された。こういう熱気は、参加型イベントならではと思う。メーカーのイベントでは、主催者は一所懸命だが、 来場者は結構クールだったりする。26名でも熱気との積で評価すると100人分のパワーだったのではないだろうか。自画自賛ではあるが、皆活き活きと楽し んでくださった。大成功!ともう一度自画自賛。 |
|
Oさんの作品は、
Tangbandの4インチフルレンジを使用したMCAP-CR型。写真では分らないが、組立式の素材を使った丁寧なつくりで、ダクトも後から取り替えら
れるように配慮されている。 フルレンジでも高域が少し物足りないとのことので、スーパーツィーターを足している。スーパーツィーターは邪魔になっておらず、柔らかめの Tangbandサウンドにテクニクスの爽快感を加えている。 ダクト面積は、自分が作るものよりも小さめで、最低域を延ばすようになっている。この組合せで全く違和感はない。振動板の径に合わせて云々と良く云われ るが、そう簡単なものではないことを証明する逸品と云えるのではないかと思う。 |
|
M-TKさんは、なる
べくコストを掛けないことに拘ったという。紙管と塩ビ管の組合せである。下見のレポートに書いたように、音は凄い。プレゼンが始まると、あちこちから溜息
が洩れた。『こんなベースの音は聴いたことがない...』 Tangbandの3インチフルレンジを使用しているのだが、低域から高域までのバランス、音場感、音の柔らかさと鋭さを備えた傑作である。 この会の特徴は『研究』にあるので、驚きのあまり近くに寄って音圧を確かめたり質問したり、熱気に包まれた。 音の質はお金では買えないということを証明したと思う。ブラインドで数百万円のスピーカーと比較したらどういう結果が出るだろうか。こういう工夫は金よ り尊いのだと思う。 |
|
下手の横好きさんは、
大阪から夜行バスで駆けつけてくださった。ご自身で研究して来られたマルチバスレフとMCAP-CRの融合、更に、ショートホーンを付けるという工夫がさ
れている。 内部には、塩ビ管が並んでおり、工場の配管みたいになっている。 ユニットには、Tangbandの4インチを使っているが、低域は豊かでサイズを感じさせない。 音だけでなく、音楽を鳴らすスピーカーであった。皆頷きながら聞き入ってしまった。 |
|
古舘さんは、集まれ!
塩ビ管スピーカーでもお馴染みの方で、昨年同会のオフ会で発表されたMCAP-CR型のユニットを3インチから、4インチの同軸2ウェイに改造してご持参
くださった。 ネットワークがあるせいか、ツィーターがあるせいか、エージングが終わっていないように感じた。それでもご自身がお好きだというJ-POPの竹内まりや をかけると、ベストなフィッティングを聞かせた。 さすがにベテランらしく、輪郭のはっきりしたシャープな音造り。2ウェイの効果も相俟って、遠く離れても音の輪郭がぼやけない。エージングが進んだらど んな音になるのだろうか。 ユニットの取付はT管部なので、オリジナルの3インチへの交換も可能なようだ。オリジナルの3インチも聴きたかった... |
|
自作マニアなら誰でも
知っている大御所のkenboさん。今日はお忙しい中を縫って三島から新幹線で駆けつけてくださった。 唯一のFostexの作品。見た目は普通の2ウェイだが、滑らかさが違う。作品の高さが低いため、セッティングはご覧の通り、不安定になってしまった。ご 自宅の音響に合わせて低域を少なめに調整してあるということだったが、テーブルに直置きにしてパワーを入れると、kenboサウンドが炸裂。滑らかで大人 しいという直前までの印象が吹っ飛んだ。 自作の神様の仕事はやはり違う。試作品ということだが、このままカシューでも塗れば小型超高級品に変身するだろう。 |
|
松さんのバンビーノ。SICAの8Ω12インチユニットを前面に使い、4Ω10インチユニット2発を後ろ側に角度を付けて配置するNDR型になっている。
前面と後面との音圧バランスを調整して極端な音場感が出ないようになっている。反射の多い部屋の音響型になってしまったQNDR型とは一線を画する。 離れて聴くと音場がスピーカーの後方にも微妙に拡がっている。このサイズにも拘らず、ヴァイオリンのサイズが点のように小さく再生された。ちょっと小さ過 ぎる気もする。QNDRだとヴァイオリンが点ではなく、大きさを持った共鳴体と演奏者のように聞こえるのだが...どうしてこのような音場になるのだろう か?他の方々は音の良さに唖然としていたのだが、自分は、音場ばかり観察していた。 この作品の作りは、神業の境地で、皆ビックリである。工作技術研究会を開きたいくらいである。 |
オフ会の会場は、東京
都文京区にあるアカデミー湯島5階の視聴覚室である。 アカデミー湯島は、湯島小学校に併設されている。場所は受験の神様、湯島天神からすぐのところにある。自宅からも徒歩5分程度の場所で、自分にとっては 至便の場所である。また、地下鉄湯島駅をはじめJRの御徒町駅からも近く、また、秋葉原からも徒歩圏である。 会場は100平米強の広さで、天井は音楽室のように斜めになっている。バンド演奏にも使われるので、左手奥には、アップライトピアノが見える。気に障る響 きはなく、音響効果も悪くない。中央に見える白いスピーカーは、M-TKさんのTwin-Hornで、Stereo誌の付録ユニットを使ったものである が、一番後ろの席でも十分な音圧が得られる。四角い箱のスピーカーは、私がミューズの方舟さんに出品する予定の"CON GIOIA"である。これも十分な音圧を出すが、Twin-Towerと比べて特に大きな音を出せる訳ではなかった。 本会で発表され る、M-TKさんのTwin-Towerは、紙管と塩ビ管を使用した標準MCAP-CR型キャビネットにTangbandの8cmユニットを付けたもので ある。これは、サイズの割に大きな音を出すことが出来る。また、音場感は、箱型のスピーカーに比べても特に良い。耳障りな音が出ないので、音楽に浸りたい 人向けのシステムと思う。 Twin-Towerの音の秘訣には、スピーカーユニットのマウント方法がある。これは、9月23日の本会には設計・製作者ご本人から説明を頂けると思 う。この方法は、Fostexのユニットのマウントで悩んでいる方には大いに参考になると思う。 今日は、QNDR型でアリーナのライブ録音を聞いたり、インシュレータの比較をしたりして、あっという間に3時間以上が経過してしまった。大変だったが 面白いプレオフ会だった。 その後、M-TKさんと自宅で、本会で放出予定の作品を聴いた。一番大物で、運び込みが大変な130RTR100b型がお嫁入りとなった。狭い自宅が少 し広くなった。どうも有難う御座いました。 放出予定の作品は、他に、3機種あり、どれも特徴のある音造りです。お楽しみにしてください。 |
写真左の山は、自分の
メモ帳である。A6版のノートは、コンビニで手軽に購入できるので、常に持ち歩いて電車の中などでスピーカー再生の理屈についてや、新しいモデルの構造等
をメモしている。 いつから始めたのかは、不精で日付を書いていないので分らないが、メモはいつの間にかこんなに増えてしまった。内容の殆どは、多自由度バスレフの振動モデ ルの図や運動方程式、運動方程式を整理したもの、モデルを手計算で解く途中のもの、解くためのアルゴリズム等、他の人が見てもさっぱり分らない内容であ る。 同じ図や同じ式が繰返し何度も登場する。物忘れが激しいため何度も同じ事を繰り返すという理由の他、自分の式に誤りがないか、手順を変えて何度も計算し なおしている。 |
東急ハンズの売り場を
見ると、欲しかったゴム粘土は無かったので、子供用の『おゆまる』という粘土のようなものを購入してきた(写真右)。 ついでにビー球の潰れたようなものがあったので、これも購入してきた(写真左)。これは税込み367円なので、怪しい水晶粒(小さなカップ1杯で500 円)よりも安いと云える。おはじきとは違って片側が丸く反対側が平たいインシュレータにぴったりの形状である。 おゆまるは80度(摂氏)以上のお湯につけて柔らかくしてから整形して使う。子供用のくせに危ない使い方ではないのか?疑問は残るがやってみた。熱いうち は調子よく整形できるが、すぐに硬くなりうまくゆかないので諦めた。結局油粘土を使ったところ、音は良くなったように感じる。 |
M-TKさんから、題
記の催しがあると教えて頂いたので、女房と一緒に聞きに行ってきた。本日15時からということだったので、14時過ぎに自宅を出て。15時ちょっと過ぎに
は、氷川神社に到着した。 着いたときには、子供たちの演奏をやっていた。席が空いていたので座って聴いていた。左の写真は、武蔵丘高校吹奏部の皆さんでである。1年生だそうだ。 皆涼しそうな格好をして気持ちが良い。時折風が通り、少し前の猛暑とは随分違う。日差しも秋の感じになっていた。 その後、***トリオ(名前を忘れました)、早稲田大学Swing & Jazz Clubを聴いたところで(というか***トリオのところで)女房が飽きてしまいギブアップ。加藤哲子トリオの最初のところで中座してしまった。 屋外なので音響はさっぱりしていた。吹奏学部も最近は分りやすい曲をやるものだと感心した。体を揺らしたり、立ったり座ったり、大変だと思うが、練習の成 果が感じられた。気になったのは、男子部員がたった2人と少いことだった。ドラムも女子だった。男子はどこへ行ったのか? 最後に、ホッケドッグという面白いものを買って頂いた。英国のFish & Chipsみたいで結構いける。 女房が飽きてしまっていいところまで聞けなかったのは残念だったが、中々楽しいイベントだった。お祭りのテキヤがいないのも良かった。 タッチの差でM-TKさんとお会い出来なかったのが残念! |
昨年の8月23日の日
記にプログラミングの勉強について書いたのだが一向に進んでいない。 実のところ、プログラミングに関する書籍は30年も前から相当数買い込んでいる。左の写真はそのごく一部で、CまたはC++に関するものだけである。その 他には、Fortran、Basic、Visual Basic, Java, Perl, VBA等うんざりする位の数の書籍がある。Cに関するものだけでも、この写真の他に、Numerical Recpe等の大物がある。 何故こん なにあるのかというと、この手のものが昔から苦手なのである。学生時代には、大型コンピュータでFortranを使うという情報処理の科目があった。ログ オンとかタイムシェアとか自分の想像力の範囲を超えた用語だけで戦意喪失して、単位を落とし、二度目の履修でようやく合格した。 |
アマゾンで注文してい
たFE83Enが昨日届いたので、今日付け替えてみた。ついでに吸音材は、先日ジャンクのスピーカーユニットを8本購入したときにおまけしてもらったもの
に変えてみた。 以前のものを外してみると、フレームのネジ止め部分が変形していることに気付いた。木ネジで留めた位で変形するようなものを製品として扱うのは恥ずかしく ないのだろうか?こんなものはピュアオーディオ用には使いたくない。FosterブランドのFF80BKのフレームならこんなことにはならない。しかも価 格は半分である。 このへなへなフレームが、音に悪さをしていることに気付いた。少しでも音量を上げるとビリ付いてしまう。ミューズの方舟さんのところに持ってゆく前に は、このフレームに対策をしなければならない。 |
今年は、Stereo誌のスピーカーコンテスト、Fostexのスピーカーコンテストがあり、ウェブ上でも話題を賑わせている。最近Stereo誌のス
ピーカーコンテストの書類審査の結果発表があったようで、自分の良く知っている方々も合格だったりそうでなかったりしたようだ。 自分はと云うと、これらのコンテストには応募していないのだが、審査の無い先着順受付の、ミューズの方舟さんのコンテストに今年も応募していた。今日、出 品予定作を、自室より少し広い居間に運んで聴いたいたところ、ミューズの方舟さんから、先着4番目でパス(?)した旨のご連絡を態々電話で頂いた。直ぐに 応募したのだが、それでも4番目ということだった。残念ながら間に合わなかった方もおられたのだろう。 左の写真は、出品予定のペット ネーム『CON GIOIA』である。FE83Enの音がどうしても気に入らなかったので、先週思い切って改造した結果が左上のような状態である。この結果多少、自分の好 みの方向に変った。しかし、妻から、『貴方の好きな音じゃない』と見透かされてしまった。図星だったので、とうとうセンターキャップも塗ってしまった。 スピーカーユニットに塗装する人はいないと思うが、塗装には、実効質量を増やす効果と、振動板の剛性を高める効果がある。勿論、そんなことはしないほうが 良いに決まっているが、好みに合わない音だったらどうしようもないので、止むを得ずやってみた改造である。本当は裏から塗っただけで、止めておきたかった のだが、新型のコーンは裏から沁みてきてみっともないので止むを得ず塗ってしまった。 |
鉋で荒削りした後に、
#60の布やすりで段差を取り除き、#100で中仕上、#240で最終仕上を行った。また、ダクト内部も段差が無くなるよう#60で削った。書くこれだけ
だが、電動工具を使わないので、これだけで4時間ほどかかり、筋肉痛になった。 下地調整はせず、削った状態で掃除機をかけ、表面の埃を取り除いた後、ベランダに持ち込み、背面を粗塗装、底面は塗らなかった。市販品でもフロア型は、 背面や底面の仕上はしていない場合が多いと思う。 続いて上面、正面、側面にスプレーを吹き付ける。大山さんのビデオでの注意事項のうちただひとつを守っただけで、塗装の垂れが殆ど発生しなくなった。 |
先週は休暇をとって東
欧圏に旅行に行ってきた。あまりオーディオに関係のある旅ではなかった。 パック旅行の中に、ウィーンでの小さなコンサートが付いていた。このコンサートは団体旅行向けで、幾らするものか分らないが、様々な国の団体が来ていた。 左の写真のように小さなホールで、ピアノ、弦楽器、木管楽器、ソプラノ、テノールとバレエの演奏を行った。ステージは、1m弱の高さで、その上にピアノを 除く演奏者が位置する。 写真では良く分らないが、ホールはほぼ楕円形で、床と天井は平行である。小さなホールに椅子を並べ、約400人が鑑賞できた。 演奏が始まって感じたのは、残響の極端な長さである。風呂屋で演奏するような感じで、残響が直接音に勝ってしまうので、ヴァイオリンは、独奏以外の旋律さ えも殆ど聞き取れない。最初はピアノも無いと思って聴いていたところ、何故ピアノの音がするのかと気付いて探したらピアノもあったという状態である。 演奏者一人一人の楽器は間近に見えているのに分離しては聞こえない。オーディオマニアは、楽器のパートを分離して聞こえるようにするのだが、実際のホー ルではこのようなこともある。しかし、だからと云って音楽が悪いということもない。 この音場は、QNDRでの再生音に良く似ている。QNDRは、このような状態で聞きたいという人には適していると思う。 |
FE83En用新シス
テムの仕上は先に延ばすことにしたが、今回は経験のない仕上げ方をしようと思い、実験してみた。 仕上に使うのは、住宅の床用ワックスで、アクリル樹脂系のワンピカという商品である。これは、9年前にこの住居を購入した際にオプションで追加した床仕 上用のワックスの余りである。放置されていたことに気付かなかったが、今年になって発掘された。 長岡先生は、白木用のワックス仕上も良いと書かれていたので、一度試してみようと思っていたが機会が無かった。 ワンピカの使い方は良く分らないが、布で擦り込むのでは中々進まなかったので、筆で染込ませるように塗ってみた。塗るのは簡単だが、安物の筆で試したので 細かい気泡が出来た。乾燥した後に触ると、気泡のせいで手触りが悪い。これを240番の紙やすりで剥がしてみたところ、元の木材のようになった。これで水 を吸い込まなければ良いと思ったのだが、水洗したら水を吸い込んだ。 このためもう一度重ね塗りをしたところ、左の写真のように多少手触りが良くなった。左が、ワンピカを塗ったもの、右が未処理のものである。木材は、ロイ ヤルホームセンターの表示では、『クリアパイン』と名の付いたものである。ゲテもんの松さ んに伺ったところではそのような松はないらしい。 このような仕上にするか別な仕上にするか悩ましいところだ。 |
FE83Enを使用し
た新システムが一応組み上がった。 通常は、箱を仕上げてからユニットを組付けるのだが、今回は、先ずこの状態で音を出してみた。ボンドが定常状態に乾くまで待ってから箱の表面処理をしよ うと思ったためである。 完成寸法は、360H×250W×236Dで、底面にはφ15×5Hの脚が付いている。自宅用なら、水晶のブロックをインシュレータに使うので脚は不要 だが、ミューズの方舟さんの会場に持込む予定なので、置いてすぐに鳴らせるように3点の脚を付けたものである。 音が鳴らせる状態になったのは昨夜だった。 |
研究会のサイトは右記を
ご参照ください。 残念ながら、未だ、内容は殆どありません。 会員も引続き募集しています。 入会はこちらまで! |
昨日は、内部構造の接
着を終えたので修正に入った。 左の写真のように、形は殆ど完成したように見える。しかし、パイン集成材というのは曲者で、製作中に寸法が変ってしまう。 寸法が狂う理由にはいろいろあると思うが、最も大きいのは、ボンドの水分を吸うことによる膨張だろう。 集成材は、部分により密度が違い、性質も違うので、元の寸法が同じであっても、伸び方が違う。 |
|
折角寸法が同じになるように同一幅の板から切り出したのに、組立てると、左の写真のような誤差が出てくる。 これは、自分の製作技術が低いというのも理由であるが、決してそれだけではない。前側で出っ張っている部分が後ろ側で引っ込んでいる訳ではないのであ る。 |
|
こういう誤差は、鉋で荒削りした後に、60番の紙やすりで、接合部の段が無くなり、かつ、全体がなめらかになるように丁寧に修正する。 小型のスピーカーなので、作業は比較的順調に進み、1時間程で、2本分の前面と後面の修正が完了した。 触ってみて段を感じなければ概ね良好である。左の写真では、未だ段があるように見えるが、実際には殆ど分らないところまで修正された。 |
|
誤差の修正後の写真を見ると、何となく綺麗になったように感じる。 フロントバッフルと後面の板を入手していないので、今日はここまでの作業になる。 残りの材料は、250mm幅×1820長の集成材で、これを、360mmの長さに4枚切ってもらう。 面倒な穴開けを施し、ダクトを接着したうえで貼り合せると、工作は、概ね完成する。 その後仕上げて音を出せるのは、いつになるかな... |
今日から、
FE83En用のシステムを作り始めた。設計図は完成していないのに、既に作り始めてしまった。現在は、板も全ては揃っていない。 全体サイズは、下記の点を考慮して決めている。
|
今日は、スピーカー再
生技術研究会副会長の松ヒトシさんが来られた。目的は、NDRも
どきシステムを聴くためである。 自室は狭いので、いつものように居間にセットする。それでもやはり狭いのが気になる。NDR風の効果を出すためには、後方が広く開いているほうが望まし い。しかし、最初はこれでやってみることにした。 松さんは、効果のチェックのため、いろいろなジャンルのCDを持ってこられた。 松さんはジャズがお好きなので、持ってこられたうちの1枚を聴いてみる。低音の出方は悪くない。 |
|
続けて聴いていると、
どうも高域が詰まっている。音も引っ込んで感じるという。自分のCDを聴くとそのような感じがしないばかりか、むしろ高域が強く聞こえるのとは正反対の鳴
り方である。 それでも、他のCDを聴いていく。松さんは、どうもしくりこない。松さんのメインシステムであるバ ンビーノと比べると、定位が明確でないという。 このセッティングでは、後方にゆとりがなかったため、結局300mmほど手前に出して聴いてみると、少し改善されたが、どうもしっくりと来ない。 次に、私のCDを聴いてゆくと、評価ががらっと変った。 |
9:00〜12:00 | スタッフでセットアップ |
13:30〜17:00 | イベント |
18:00〜 | 有志で打上 |
今日は、NDRもどき
システムを製作するために、FosterのFF80BKを購入した。2本は前もって買ってあったので、今日は6本を買ってきた。ついでにミューズの方舟ス
ピーカーコンテストで受付けられたときに使用するFE83Enも、2本購入してきた。 FF80BKは、1500円弱、FE83Enは3000円弱と倍半分の価格差がある。 FE83Enは、音が良いと評判が良く、一時は品切れしてたほどの人気モデルである。 FF80BKは、Fostexの親会社の製品だが、評判は聞いたことがない。 |
|
FF80BKは、
FE83Enと比べると、見た目は安っぽいが、マグネットのサイズは同等で、フレームの剛性は、むしろ高い。また、フランジの裏側には、パッキンが貼り付
けられているので、音漏れが少く、工作も楽である。 音の直接比較は出来ていないが、製造コストは殆ど変らないのではないかと思う。 NDRもどきシステムは、ユニットを片チャンネルで4本使うので、価格の差は大きい。FE83Enのような高級モデルを使用する気にはならないので、 FosterのFF80BKを使用した。このFF80BKは、特に悪いところはなく、むしろ好ましい音がするようである。 |
|
今回製作したNDRも
どきのシステムは、前面に2本のユニットを使い、後面に、別の2本のユニットを左右に向けて使う。 前面のユニットは、直接音を受持つ1本のユニットを2本に分けたもの、後面のユニットは、内面に向けたものが、モノラル成分を受持ち、外側に向けたもの がステレオ成分を受持つという構成である。 接続方法は、前面の2本をシリーズ、後面の2本をシリーズ、そしてこれらをパラレルに接続するシリパラにする予定であったが、気が変って、シリーズに繋 がった部分の中間を夫々ショートした、パラシリのように繋いだ。大して意味がある訳ではないが、何となくやってみたものである。 |
|
前面の2本は、直接音を受持つということであるが、実際には、前面の中央に向いた前面の2本だけでもステレオになり、前面中央の外側向きの2本は、間接音
を受持つような気もする。しかし、前面のユニットの音圧が後面よりも高くないと、音が引っ込むという話もあったので、このようにしたものである。 スピーカーユニットが四角柱の4面に付いているので、後面も左の写真のようである。 四方に分散する音響信号は、擬似点音源のような動作をするようである。 音場は独特で、体全体が音に包まれるような雰囲気を出す。 |
ホーム | この前の日記へ |