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スピーカー再生技術(8)-バスレフ型の拡張型
前置きが長くなってしまいました。今回こそは、バスレフの拡張型について、考えましょう。このページをお読みの方はすでにお気づきと思いますが、バスレフの拡張型として主要なものは、多自由度バスレフです。他にもありますが、それは、ここでは考えないことにします。
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拡張型について考える前に、バスレフ型の特等について、再びまとめます。バスレフ型の特徴としての動作は、以下の通りです。
- バスレフダクトが、補助的な振動板として動作する。
- バスレフダクトが補助的な振動板として機能するのは、共振周波数と、位相反転する周波数である。
- バスレフダクトの位相反転動作は、共振周波数を上回る周波数帯域で発生するが、周波数を高くなるとと効果が小さくなる。このことは、バスレフダクトには、ハイカットフィルターとしての効果があることを意味します。
- バスレフダクトの共振周波数を下回る周波数においては、ダクトという振動板が、音圧を引き下げるという副作用がある。
以上のことを頭に入れて、バスレフの拡張型について考えてみましょう。
バスレフ型は、このマイナー講座で、ばね−質点系振動モデルで表現できることを見てきました。ということは、ばね(=空気室)と質点(=ダクト)を増や
してゆけば、共振周波数を増やせることが、想像できます。これを最初に実現したのがダブルバスレフ型というモデルです。ダブルバスレフ型の作例は、長岡先
生の著書やアマチュアの作例では多く登場しますが、ダブルバスレフ型の商品は数多くありません。スピーカーシステムという商品のほとんどは、バスレフ型
で、たまに、密閉型を見ることができるくらいのものです。ごくまれにバックロードホーン型も見ますが、バックロードホーン型は難しいので、大規模なメー
カーで大量生産した例は多くありませんね。
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