ということで、Fig.4の箱にスピーカーユニットを取り付けた、バスレフ型スピーカーシステムの概念図を、Fig.5に示します。
Fig.5において、箱の内部は、空気ばね、ダクトの内部は、空気の塊を表しています。ダクト内部の空気の塊は、前回書いた通り、第2の振動板として作
用します。この第2の振動板は、面積が小さくても、軽く、空気ばねの効果が小さく、また、ダクトとの抵抗が小さいので、振幅が大きくなります。このた
め、振動板とくらべて小さなダクトでも、十分な効果を出すことができます。
では、ダクトの設計を変えたらどうなるでしょうか?
(1)ダクトを大きくした場合
ダクトを大きくすると、箱の空気ばねが強くなります。これは、ダクトの断面積を大きくすると、ダクト内の空気の塊が箱の空気の変化量が大きくなるため、
これに比例して、ばねが強くなるためです。また、同時に、ダクトの中の空気の量が大きくなるので、錘が大きくなった効果もあります。
(2)ダクトを長くした場合
ダクトを長くした場合に変わるのは、ダクト内の空気の量だけです。このため、錘が大きくなった効果しかありません。
以上のことは、数式で表現できるので、さらに突っ込みたい方は、技術文書にあるレポートをご参照くださいね。
以上のことから、箱の容積が同じ場合には、ダクトを変更することで、以下の効果を出すことができます。
ダクトを長くすると、共振周波数が下がり、ダクトを太くすると共振周波数が上がる。ダクトを太くしても、ダクトの長さが同じであれば、質量増加の効果をばねが強くなった効果が上回るので
、結局共振周波数が上がります。 |
Fig.5 バスレフ形式
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